国内タイヤメーカー4社はこのほど、24年12月期第2四半期連結業績を発表した。そのなかで上期のタイヤ販売本数の推移を明らかにした。本紙では、ブリヂストンについて市場別に乗用車用・小型トラック用(PSR/LTR)とトラック・バス用(TBR)ごとの(1)市販用(REP)、(2)新車用(OE)、(3)合計の第1四半期(1Q)と第2四半期(2Q)の実績と24年通期予想を〈表〉とした。住友ゴム工業・横浜ゴム・TOYO TIREの3社については市場別REP/OEの対前年同期比を(1)1Q、(2)2Q、(3)24年通期予想を〈一覧表〉としてまとめた。
下期以降の反転に向け取り組み強化へ
4社の資料データを俯瞰すると、国内の新車用タイヤは一部自動車メーカーにおける減産、新車販売が低調であったことから販売量は前年同期を下回ったが、横浜ゴムは一部自動車メーカー減産の影響は緩和しているとして、第2四半期では前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは、昨年の値上げ前駆け込み需要に対する反動があり、加えて物価高による個人消費の伸び悩みが市場に影響したとみえ、前年同期を下回った。横浜ゴムの第2四半期における前年実績からの13%増は新商品販売にともなう積極的な販売活動の効果だとする。
ブリヂストンの上期累計タイヤ販売実績はTBR・OE105%と新車用は前年実績を上回ったが、REP75%と市販用は大きく落ち込んだ。PSR/LTR・REP84%、PSR/LTR・OE83%。
海外市場をみると、横浜ゴム以外はアジア市場の販売が前年実績を下回った。中国での日系自動車メーカーの自動車販売が低迷した影響とみられる。
ブリヂストンは北米、欧州、中国・アジア・大洋州でTBR市販用タイヤの販売が第2四半期で前年同期を上回り、年間予想も昨年実績から微増。北米では流通在庫が正常化し、第2四半期以降順調に需要が回復したとしている。
ブリヂストンの上期累計タイヤ販売実績を地域別にみると欧州PSR/LTR92%、TBR88%。北米PSR/LTR98%、TBR95%、中国・アジア・大洋州PSR/LTR93%、TBR95%といずれも前年実績を割り込んだ。
住友ゴムは欧州での対前年度比からの販売実績増はFALKENブランドの強みであるオールシーズンタイヤの拡販を進めた効果だとしている。
中国では国内需要低迷、不動産不況が続くとみられる。欧州は物価高の沈静化、賃上げ加速により回復基調は続くとの公算が大きい。このような状況下、下期以降の販売拡大に向けた各社の取り組みが注目される。