高インチタイヤが伸長  各社の業績を担う柱に

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カテゴリー: ニュース
アルミホイール生産
タイヤ4社の24年12月期上期決算

 タイヤ4社の24年12月期上期決算が9日までに出そろった。各社ともに国内自動車メーカーの認証不正問題や、海外での廉価品流入で苦戦を強いられたもようだ。だが、業績を詳細に見て浮かび上がったのが、高インチタイヤの好調さ。下期の業績を支えるキーのひとつとなる。

 

 新車・市販ともに増勢へ

 

 対前年同期比で増収減益となったブリヂストン。南米や米国での不調でも増収を確保できた一因には、乗用車用高インチタイヤ(PS-HRD)の伸びがあった。特に上期では市販用PS-HRDが拡大し、対前年上期実績に比べて4%上昇した。

 地域別では新車装着用も伸びを見せた。北米では、新車装着(OE)用PS-HRDで販売本数は対前年比7%向上。車両の大型化で需要が伸び、販売でもプレミアムへのフォーカス強化や車種MIX良化で拡販・シェアアップした。市販用PS-HRDは販売本数が1%伸びたが、需要の伸び(4%)に追い付かずシェアダウンした。

 欧州では、市販用PS-HRDが拡売した。需要本数の水準には達さなかったものの、特にBSブランドが対前年比12%上昇だった。アジア・大洋州・インド・中国でも市販用PS-HRDがインド・タイで拡販、シェアアップした。中国でもプレミアムフォーカスを強化している。

 住友ゴムの24年上期は国内・海外の新車・市販双方のタイヤ販売本数で下回った。一方でカテゴリ別にみると、高機能タイヤは新車・市販の上期実績で対前年99%と微減に食いとどめた。下期では回復を見込み、通期では前年実績と同程度と予想する。

 同社の乗用車用タイヤのなかで高機能タイヤの構成比率は年々伸びており、23年の新車用では半数が高機能タイヤとなった。

 横浜ゴムは、成長戦略の一環として高付加価値商品の展開を強める。その柱がADVAN(アドバン)、GEOLANDAR(ジオランダー)、WINTERの「AGW」に加えて、18インチ以上の高インチタイヤだ。

 前の中計である「YX2023」では、高インチタイヤの販売本数の目標を上振れる結果となった。設定していた目標は「23年に19年対比55%アップ」。結果は59%アップと目標を上回った。

 24年からの新中計「YX2026」では「23年対比で54%上昇」を見込む。ADVANの目標(23年対比106%上昇)に次ぐ拡大幅だ。業績アップの一翼を担う。

 TOYO TIREは四半期決算資料で高インチタイヤの販売状況については触れていない。一方、7月末に発表した最新の統合報告書では、タイヤ事業の進捗について「新車販売においては、SUVの増加や新車装着タイヤの大口径化トレンドが続いており、当社が得意とする領域での拡販機会があると認識」していると記した。

 24年度上期は過去最高の売上高を記録。高インチタイヤの販売伸長がそれに寄与したとみられる。


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