横浜ゴムが「技能コンテスト」。消費財部門は初開催  ノウハウ共有し全拠点で底上げめざす

シェア:
カテゴリー: ニュース
生産財部門実技シーン
生産財部門実技シーン

 横浜ゴムは8月23日〜24日、静岡・沼津市内のホールで技能コンテストを開催した。2015年から開催し7回目。今回から消費財部門を設け、初めて生産財・消費財の同時開催となった。コンテストを通じて発信するのは「安心・安全・正確・効率良く」というテーマの定着。コンテストだけに終わらず、動画の配信や標準書の改定を通じて全スタッフのレベル向上をめざす。

 

 

 キャリア3~5年が中心

 選手は緊張感を持って挑戦

 

 コンテストに出場したのは、予選を通過した消費財8選手、生産財10選手。1日目は筆記試験、2日目は技能(実技)試験を行った。出場した選手のキャリアは3~5年目の若手から中堅のスタッフが中心だ。

 技能コンテストは消費財・生産財ともに午前・午後に分けて開催。客が来店して作業内容を確認し、交換作業、作業報告、送り出しという接客・実技の一連の流れを、複数名の審査員がチェックする。出場選手たちは緊張した面持ちを見せていたが、作業に入ると声出し確認をしながら手際よくタイヤを交換。終了後には客に増し締めなどについての案内を行っていた。

 

 動画で技能を共有

 作業標準も安全第一に

 

消費財部門実技シーン
消費財部門実技シーン

 横浜ゴムは、このようなコンテストを通して優れたスタッフを表彰するとともに、すべてのスタッフの技能の底上げを図っていきたい考えだ。

 底上げを図る取り組みのひとつが動画。技能コンテストでは、各選手の作業内容を動画で撮影していた。宮本知昭取締役常務執行役員は「この動画を全国のスタッフに配信して、知見やノウハウの共有化を図る。そのなかから共通して作業したほうがいいことを標準書に加えていく」と明かす。

 作業標準書もコンテストで見られた選手の工夫から改定を行っている。たとえば「作業中」という標示板を設置するのが標準となったのは、過去の出場選手の動きが参考となった。

 さらに強く意識するのが「脱輪防止」だ。今回のコンテストで見られた増し締めの啓発。これは今年から標準書に加えられたという。標準書をアップデートし、それをスタッフに周知していくことで、「安心・安全・正確・効率良く」を実現している。

 

 生産財優勝者は“連覇”

 後輩育成に意欲示す声も

 

 技能コンテスト終了後は表彰式と懇親会が行われ、生産財・消費財ともに3位までの受賞者を発表した。

写真1「生産財部門」受賞
写真1「生産財部門」受賞

 受賞者は次の通り。〔生産財部門〕(写真1の右から)▽優勝・ヨコハマタイヤサービス双葉・岩崎一粋氏 ▽準優勝・ヨコハマタイヤセンター滋賀・大西達也氏 ▽3位・中部タイヤセンター・岩田拓也氏

 〔消費財部門〕(写真2の右から)▽優勝・タイヤガーデン東京・井上和之氏 ▽準優勝・ヨコハマタイヤサービス・明田英士氏 ▽3位・司興産・石田和也氏

 生産財部門優勝の岩崎氏は昨年に続いての連覇となった。

 今後のポイントは技能コンテストをきっかけにして、どのように全体のレベルを向上させていくかだ。そのためには動画などのツールのほかに、各拠点での育成やノウハウの共有が欠かせない。

写真2「消費財部門」受賞
写真2「消費財部門」受賞

 大会委員長で、タイヤ国内リプレイス営業本部長代理の平田実氏(ヨコハマタイヤジャパン代表取締役副社長)は参加選手たちに「本日の気づきを現場で伝えていただき、横浜ゴムの技術レベルを向上させてほしい」と呼びかけた。次回の技能コンテストでその成果を見ることができそうだ。


[PR]

[PR]

【関連記事】