「第14回DTS全国TBタイヤ作業コンテスト」  ダンロップタイヤが群馬・前橋で開催  高い作業品質の実現めざし

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カテゴリー: ニュース
参加選手らの集合写真
参加選手らの集合写真

 株式会社ダンロップタイヤは9月7〜8日の2日間にわたり「DTS全国TBタイヤ作業コンテスト」を開催した。第14回を迎えるこのコンテスト。今回は3部で構成された。7月にサービスの提供を開始したTPMSのバルブ装着を想定したタイヤ組み換え作業など、新たな項目が加わった。タイヤの高性能化・大口径化にあわせ整備機器が進化し、その作業も複雑化・高度化が進む。コンテストを通して「高い安全と作業品質の実現」をめざす。

 

 

 コンテストの出場者はダンロップ独自の作業指導者を認定する「T3認定試験」で認定された529名。全国10エリアから63名が選抜され、7月9日から8月9日にかけて行われた地区予選会に臨んだ。各エリアから1〜2名、計13名が勝ち進み、「タイヤランド前橋」(群馬県前橋市)の全国大会で頂点を競った。

 今回のコンテストでポイントとなったのは、「タイヤ組み換え作業(TPMSバルブ)」「安全かつ効率的な車輪脱着作業」、さらに「お客様への安全訴求・提案」の3パート。筆記試験と3パートの試技の総合点で順位決定となる。

 ダンロップタイヤ常務執行役員技術サービス本部長の田村正広氏は、「これまでの作業標準に沿った安全作業の試技だけでなく、注力しているソリューションビジネスの要素を取り込んだ試技を加えた構成」と解説する。

 

 13名が全国の頂点を競う

 

作業シーン
作業シーン

 タイヤ組み換え作業では、TPMSバルブが登場した。これまでとは違う作業ができているかがポイントとなる。TPMSバルブはコンパクトに設計されているが、通常のバルブよりも突起があり、リム脱着ではビード部に引っかかってしまうリスクがある。組み換え時にTPMSバルブをどのように取り扱うかが課題。作業マニュアルや動画を作成して事故防止の徹底を図っているが、コンテストではマニュアル通りにしっかりできているかがポイントだ。ビードキーパーをどこにどのようにセットするか、ホイールをのぞき込んでバルブに当たっていないかチェックするなど、細かい作業が必要となる。

 車輪脱着作業は、標準作業とスピードの両立が求められる。ホイールやハブ、取付面を点検しながら丁寧に作業する。ダンロップ独自のツール「ピッチゲージ」を当ててチェック。緩みを発見するナットマーキングも推奨されている。さまざまなツールを使いスムーズに作業を進めるパートだ。

 このパートの背景には近年の脱落事故の増加がある。事故防止につながる取り組みには「適切なタイヤ交換作業の実施」が必須。「そこで終わりではなく、顧客自身でその後の安全点検、タイヤ管理を行わなければならない。それをしっかり管理するために、顧客への安全訴求・提案のパートだ」と田村氏は続ける。

 

 TPMS装着を想定。接客力も審査項目

 

接客のロールプレイの様子
接客のロールプレイの様子

 偏摩耗のタイヤサンプルをもとに、顧客に適切なローテーションを提案する設定のロールプレイング形式で安全訴求・提案パートは行われた。作業完了報告書を示しながらより経済的な提案を行うといった接客力などが審査された。

 ダンロップタイヤ代表取締役社長の河瀬二朗氏は、「年々、レベルが上がってきたと感じている。毎回、項目が追加されてくるが、そこをしっかりこなしてくれているのが嬉しい」と参加者の意気込みに笑顔を見せた。また、「暑さ対策など、作業の環境面改善は今後取り組むべき課題の一つ」と、現場の環境への配慮についても前向きな姿勢を示した。

 

 優勝はTL小名浜・石﨑誠也氏

 

優勝した石﨑氏
優勝した石﨑氏

 コンテストの結果は次の通り。▽優勝ダンロップタイヤ(DT)東北カンパニー(C)タイヤランド(TL)小名浜・石﨑誠也氏▽準優勝DT九州C TL福岡・藤野翔太氏▽3位DT北陸C TL福井北・山田悠太氏

 石﨑氏は「優勝トロフィーを東北に数年ぶりに持って帰ることがご指導いただいた皆様への恩返し。今後も技術力を磨き安全作業に取り組んでいきたい」とコメントした。


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