冬シーズンに向けて 各社の販売促進プラン  =連載4=阿部商会

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カテゴリー: ニュース

 レビューキャンペーンを今冬も展開

 ハッカペリッタR5ファミリー

 

レビューキャンペーンの告知ポスター
レビューキャンペーンの告知ポスター

 日本のタイヤ市場には海外ブランド製品も数多く登場する。フィンランドのノキアンタイヤ、インドネシアGTラジアルの輸入販売元である阿部商会はこの冬商戦でどのタイヤにフォーカスするのか。販売促進部商品課の市川仁タイヤビジネスシニアアドバイザー、営業本部タイヤ事業営業責任者の半澤和広氏、販売促進部商品課の岩田純一リーダーに語ってもらった。

 

 

 ――昨年の振り返りを。

 

 市川 価格の調整もあったが、全国的な暖冬の影響でかなり需要が限定された。通常9月から12月頃までが冬の商戦期になるが、暖冬でスタートが遅くなった結果、商戦期が短かった印象がある。

 半澤 一時期、気温が下がり動きは出たが、12月以降の暖冬で特に非降雪エリアの東京以西は厳しかった。価格が上がったので、ワンランク金額を下げて購入する傾向が見られた。

 市川 タイヤの値上げが続いたこともあり、冬タイヤに関しては購入せずにすませたいという声も多かったようだ。

 

 ――今年の需要、市場の傾向は。

 

 半澤 今年も天候がどう傾くか分からないと言われており読みにくい部分がある。

 市川 降雪地域は装着率も高く、ある程度の需要はある。東名阪を始めとした非降雪地域では、1回でも降雪があれば大きく需要が変わるが、東京などは何年も降雪がない。

 冬になったら冬タイヤに替えるという習慣が少し根付きそうになったが、最近では「冬タイヤは不必要」という感じになりつつある。そのため、非降雪地域での降雪の有無が販売に大きく影響する。12月前半頃までに降雪があれば全体の需要は変わるだろう。

 

 ――消費者の志向は。

 

 半澤 非降雪エリアは、過去5年10年も降っていない地域もある。オールシーズンに目を向けているユーザーもいる。

 

 ――そのオールシーズンタイヤについての考えかたは。

 

GTラジアルタイヤのオールシーズンタイヤ「4 Seasons」
GTラジアルタイヤのオールシーズンタイヤ「4 Seasons」

 半澤 数年前から需要はあると感じてはいる。ただやはり、降雪エリアはスタッドレスだ。東名阪エリアなど、普段は降らない地域ではオールシーズンの選択肢もある。

 市川 オールシーズンタイヤは、日本よりも欧州が先にスタートした。

 もともと欧州の北欧以外、ドイツやイタリア、中央ヨーロッパでは、日本の降雪地域型アイススタッドレスとは違うハイウェイ型の冬タイヤが一般的。その需要がオールシーズンタイヤに移行しており、欧州市場で2割から2割5分の需要があるという。

 日本の場合、そもそもアイススタッドレスがスパイクタイヤの代わりに開発された歴史がある。氷上特化型のタイヤに慣れた日本のユーザーがオールシーズンに移行するかどうかは不透明だ。

 半澤 GTラジアルタイヤの新製品オールシーズンタイヤ「4 Seasons」を今年5月に発売開始した=写真下=。サイズレンジを大幅に見直して拡大し、冬商戦にのぞむ。東京以西エリアがターゲットだ。

 

 ――今冬の注力商品は。

 

 半澤 先シーズン同様、ノキアンタイヤのHAKKAPELIITTA(ハッカペリッタ)ブランド「R5」ファミリーだ。乗用車用で「R5」、SUV用で「R5 SUV」、また、輸入車サイズをメインとするEV用の「R5 EV」。

 市川 「R5」ファミリーの特徴は、車両のモデルに合わせ開発されたタイヤという点。モデルごとに使われているトレッドコンパウンドとか、例えばEV用であればフォーム、スポンジを適用など、求められる需要に対し特化して開発しているところがセールスポイントだと思う。

 

 ――キャンペーンなどは。

 

 岩田 毎年のレビューキャンペーンを今年も行う。「R5」ファミリーを購入したユーザーがレビューを投稿すると、抽選で3000円分のアマゾンギフト券をプレゼントする。

 市川 ポスター=写真上=など用意して店頭でも展開する。販売店の販売サポートになると思う。

 ノキアンタイヤは、タイヤメーカーとしてのブランド認知度が低い部分もある。広告やSNSでユーザーや販売店へのアピールを検討している。

 岩田 TVerなどウェブコンテンツの媒体に広告を出す予定。配信エリアや広告時期など絞り込んで計画中だ。スマホで広告を見る層が圧倒的に多くなっている。一人でも多く触れていただければ。新たな試みとしてやっていく。

 

 ――意気込みと販売店の皆さまへのメッセージを。

 

 岩田 直接ではないが、レビューキャンペーンという形で販売のお手伝いをさせていただく。それらもユーザーに案内して販売活動をしていただければ。

 半澤 「R5」は、パッセンジャー用、SUV用、EV用と、3種類のタイヤを違ったコンパウンドなどで用意しているタイヤ。サイズは14インチから22インチと幅広く準備している。目にする機会にぜひ、ご購入を。

 市川 タイヤ専業店、輸入車のカーディーラーが軸の販売チャネルとなる。どのチャネルに対しても認知度を上げるような販売促進活動や、また製品の供給を潤沢にして、販売サポートにつなげたい。


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