ブリヂストンは、モーターサイクル用タイヤの新商品「BATTLAX SPORT TOURING T33(バトラックス スポーツ ツーリング ティーサンサン)」を25年2月から発売する。新設計コンパウンドやパタンを採用し構造の最適化を図ることで耐摩耗性能を大幅に向上。ツーリングの楽しみを足元から支えるタイヤとして開発した。11月5日にはメディア向け発表会を開催し、そのコンセプトと搭載技術など、次世代ツーリングタイヤの詳細について説明した。
新商品「BATTLAX SPORT TOURING T33」(以下、T33)の新しい価値は、従来品(T32)より摩耗ライフが47%向上した点だ。
グローバルMCタイヤ事業部長の坂上賢崇氏は、「ライダーの皆さまに自信をもって紹介できるツーリング用タイヤ」と紹介する。長距離ライディングをより安心して楽しめるというT33の開発コンセプトは、「驚きのロングライフに唸る」。
それを実現するために、タイヤ摩耗のメカニズムに着目。タイヤはゴム内部のポリマーが切断することでゴムがちぎれて摩耗するが、今回は強く切れにくいポリマーを使用した。この新設計のコンパウンドを開発しリアセンターに採用している。
開発を担当したMCタイヤ設計第2課の上野峻穂氏は、「ポリマーを強固にしつつグリップを損なわない、良いバランスを持ったコンパウンドを開発した」と解説する。
また、溝/ブロック比率、パタン剛性を最適化した新設計パタンをフロント、リアそれぞれに採用。柔軟性、しなやかさを向上し、さまざまな車種・車重に適合するため、前後のバランスを整える必要がある。フロントでクロスベルト構造、リアにMS(モノ・スパイラル)ベルト構造を採用した。
摩耗ライフがメインの開発とはいえ、他の性能とのバランスも重要となる。
ウェット性能については、ウェット路面のコーナリング時の操舵角の抑制がポイント。ハンドリング評価はT32対比で約10%少ない操舵角でコーナー通過し、コーナリング中のハンドルの振れ抑制も実証した。
ツーリング走行に必要な性能を維持しながら摩耗ライフを向上させたT33。ブリヂストンモーターサイクルタイヤの佐藤潤代表取締役社長は、「モニターライダーからは、きちんとした接地感があり、狙った道をトレースしてくれると高い評価を得た。ロングツーリングを楽しみたいかたにT33を選んでもらえれば」と、販売に向け意気込みを語った。
発売日は日本25年2月1日、海外25年1月。発売サイズは25年10サイズ(フロント用4サイズ、リア用6サイズ)、26年以降5サイズ追加予定。