住友ゴムが北米工場の閉鎖決定  地産を断念、輸入で市場対応へ

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SRUSAの航空写真。同社HPから
SRUSAの航空写真。同社HPから

 住友ゴム工業は8日、米国タイヤ製造子会社の「Sumitomo Rubber USA(SRUSA)」における生産活動を終了し、解散することを発表した。これまで日米一体でSRUSAの生産体質、業務効率の向上に取り組んできたが、収益性の悪化により、生産性改善と収益化のための時間軸があわないと判断し解散を決定した。

 同社は15年、米グッドイヤー社とのアライアンス解消にともないSRUSAを取得し100%子会社化した。ただ、同工場は操業開始から100年以上が経過。「少品種多量生産」から「多品種少量生産」への移行や、生産難易度が高いSUV用タイヤへの生産切り替えに取り組んだものの思うように進まなかった。新型コロナウイルスの影響や物流費の高騰など逆風にもさらされた。

 今後北米市場で販売するタイヤはアジアほかのグループ工場で製造する輸入品タイヤに集中させ、生産終了による影響を最小限に抑える。24年第3四半期決算では会社清算に向けた計上すべき金額は織り込まれている。

 この解散で一時的に損失は発生するものの、今後の事業利益改善効果は22年実績比で1年あたり約450億円になる見通し。25年はそのうちの約310億円を見込む。

 SRUSAで行っていたタイヤ研究開発はSRI Americaに移管し、北米での研究開発活動は継続する。Sumitomo Rubber North Americaの販売体制は変更しない。従業員の離職・再就職には最大限の支援・サポートを実施する。


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