JATMA(日本自動車タイヤ協会)は11日、25年自動車タイヤ国内需要見通しを発表した。四輪以外の特殊車両用と二輪車用を含む国内総需要本数は1億368万本、24年見込み1億276万8千本(23年比4%減)に対し1%増と予測した。新型コロナ感染拡大期前の19年実績1億1659万9千本との対比では11%減で、踊り場が続く格好だ。
25年需要見通しの前提として、実質経済成長率を1.6%と想定した。24年見込みは▲0.2%。自動車生産台数は844万4千台(前年比3%増)、国内販売台数464万4千台(同5%増)、輸出台数は408万台(同2%減)とし、自動車の生産台数と国内販売台数は24年見込みを上回るとしている。
これらを基に、自動車タイヤの国内需要動向として、新車用タイヤは四輪車用計で3739万本・前年比2%増と予測した。24年見込みは3650万8千本(前年比8%減)。23年に自動車の生産・販売が回復したものの、24年は認証不正問題や物価高が響き低調に推移。25年はやや上向くものとみる。
品種別では、乗用車用は3135万5千本(24年見込み比2%増)、小形トラック用477万8千本(同5%増)、トラック・バス用は125万7千本(同1%増)。3品種すべてで24年見込みを上回るが、コロナ禍前の水準比では15%減と及ばない。
市販用タイヤは24年見込みとほぼ同じレベルとみる。夏用タイヤが24年見込み比で微増、冬用タイヤは暖冬と降雪の影響を受けた前年と同様に24年見込み比横ばい。なお、オールシーズンタイヤは夏用タイヤに含まれる。
販社販売25年四輪車用計の夏用タイヤ・冬用タイヤ合計は6423万4千本(同1%増)。夏用タイヤは4302万7千本(同2%増)、冬用タイヤ2120万8千本(同横ばい)。
品種別の25年見通しは、乗用車用・夏タイヤ3166万6千本、乗用車用・冬タイヤ1451万9千本、乗用車用・計4618万5千本、小形トラック用・夏870万5千本、小形トラック用・冬422万3千本、小形トラック用・計1292万7千本、トラック・バス用・夏265万6千本、トラック・バス用・冬246万7千本、トラック・バス用・計512万3千本。いずれも24年見込みに対し横ばいから2%程度の増加とみる。
このような販社販売動向を踏まえたうえで、メーカー出荷需要は25年四輪車用の夏用4297万5千本(同横ばい)、冬用2120万8千本(前年比1%増)。夏用・冬用を合わせた四輪車用計は6418万3千本(同横ばい)と予測した。
需要見通しに関連し輸入タイヤの動向について、統計調査部会の本間昭洋部会長=写真=は「劇的ではないが、着実に増加しているとみる。総需要の1割程度を占めるのではないか」とした。また、SUV用タイヤなどを中心に市場で大口径が進んでいることから、重量ベースでは本数ベースよりも増加傾向にあるだろうとの見方を示した。
(〈表〉は二輪車用を含む25年自動車タイヤ国内需要見通し)