横浜ゴム 清宮眞二社長&COO  YX2026は好調な滑り出し 「1年工場」第一弾は杭州で

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清宮眞二代表取締役社長兼COO
清宮眞二代表取締役社長兼COO

 横浜ゴムは19日、清宮眞二代表取締役社長兼COOが年末記者会見を実施した。

 24年から取り組む中期経営計画「YX2026」は「YX2023で進めてきた変革の総仕上げ」だと位置づけ、新しい成長戦略の確立に向けた取り組みが進む。なかでも24年に進展を見せたのが「1年工場」と「プログラマティックM&A」だ。

 「1年工場」は、新興タイヤメーカーのコスト競争力への対抗を目指して低コスト・高効率の工場を1年で立ち上げるもの。中国・杭州に建設するPC用タイヤ工場がその第一弾となる。年産900万本を予定し、新エネルギー車向けタイヤや「ADVAN」「GEOLANDAR」などの高インチタイヤの生産を強化する。

 「プログラマティックM&A」では、7月に米グッドイヤーのOTR事業の買収を発表。横浜ゴム単体だけでなく、過去に買収したATG、TWSとあわせてマルチブランド戦略を推進する。清宮社長は相乗効果を狙いつつ、「よりスピード感をもって、刈り取りを進めていきたい」とした。

 高付加価値商品の構成比率50%以上についても着実な成果を見せた。「ADVAN」や「GEOLANDAR」いずれも欧州や日本で新車装着を拡大。「ウィンタータイヤ」は、12月に発売した「ADVAN WINTER V907」がメルセデスAMGの「E53」向けに技術承認を獲得。欧州での冬用タイヤの拡販に向けて足掛かりをつくった。

 成長戦略の確立に向けては、投資とコストダウンの両輪で挑む。コストダウンでは材料費・加工費で進めていく。加工費については、生産計画を最適化し稼働率の最大化を目指す。工場コストを横並びで評価するとともに、中国・インドなど競争力の高い生産拠点のノウハウを参考にする。マルチブランド戦略を進めることによるスケールメリットも生かしていく。

 清宮社長はアジアの低価格タイヤ、特に「中国の新興メーカーの存在感は脅威」だと指摘する。低価格タイヤとは競合しない高付加価値商品を投入するとともに、「1年工場」などの取り組みでコストダウンを両立させていく構えだ。

 業績面では、24年12月期第3四半期は売上収益、事業利益で過去最高を達成。市販用タイヤの欧州・アジアでの好調やOHT市販用でのマルチブランド戦略が奏功。販売ミックスや価格の改善、Y-TWSの通期での寄与、円安環境も業績をけん引し、第3四半期累計でも事業収益、利益、利益率で過去最高となったことを報告した。


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