住友ゴムは13日、第133期(24年1月1日〜12月31日)連結業績を発表した。24年度は売上収益・事業利益ともに過去最高を更新。事業利益率は中期経営計画で27年目標にしていた水準を前倒しで達成した。タイヤ事業も好調に推移し増収増益となり、売上収益は過去最高となった。夏タイヤでは国内市販で高インチ・高付加価値商品の拡販、北米市販でのFALKEN「WILDPEAK」好調の持続が功を奏した。
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「確実にやりきっていく」――山本悟社長=写真=が力を込めたのが、このひとことだ。25年度通期業績予想では事業利益を950億円に設定した。大きな節目となる「1千億円」へと手が届くところにきた。構造改革、アクティブトレッドやセンシングコアなどの成長戦略、24年度800億円の事業利益といった目標を確実に達成してきている。
25年度に向けた種まきも進める。目標を大幅に上振れる好調ぶりを見せた「シンクロウェザー」は、25年春商戦に合わせて現行40サイズから76サイズまで拡大する。西口豪一専務は「輸入車に多く装着される18インチ以上の大口径サイズのラインアップを充実させる」との考えを明らかにした。
中計で示した「成長事業の基盤づくり」のひとつ、センシングコアは24年度に事業化をスタートした。海外自動車メーカーへの納入を開始し、国内自動車メーカーからも引き合いが来ているもようだ。また、現在進めている構造改革について、山本社長は「対象約10事業のうち、計画通り6事業の目途付けを完了した」とし、「25年度中に完遂する」と語った。
1月に米グッドイヤーからのダンロップ商標権を取得すると発表。これにより欧州・北米・オセアニアなどを含めたグローバルで乗用車プレミアムタイヤセグメントでの攻略を進めていく。
さらに生産設備の「プレミアムシフト」を計画する。タイと名古屋の工場で大規模投資を行い、より強力なプレミアムタイヤ生産体制を確立させていく。
不透明要因となるのは、米・トランプ新政権の関税政策。ネガティブな影響を、タイでの生産によるコスト優位性や海上運賃での戦略的パートナーシップで影響軽減をねらうとともに、同市場での値上げを視野に入れる。山本社長は「値上げで購入意欲は落ちるかもしれないが、サービス力と商品力でカバーしていきたい」とした。