メーカー3社トップの決算会見(1)

シェア:
カテゴリー: ニュース

 国内タイヤメーカー4社の24年12月期連結業績が出そろった。決算発表にあたり、ブリヂストン、横浜ゴム、TOYO TIREの経営トップはオンラインで会見に臨んだ。24年度通期業績を振り返るとともに、次期の業績見通しを語った。(住友ゴム工業は前号で既報)

 

 ブリヂストン石橋秀一グローバルCEO

 25年は「緊急危機対策年」

 「守り」と「攻め」の両輪で

 

 ブリヂストンは17日、24年度業績を発表した。連結の売上収益・調整後営業利益は前年を上回るも、調整後営業利益率・当期利益・ROIC・ROEではいずれも前年を割り込んだ。

 ビジネス環境の悪化が顕著となった南米・ブラジル事業を中心とした回復の弱さや日本タイヤ・化工品・多角化事業が重しとなった。今回の結果を受けて、25年度を「緊急危機対策年」と位置づける。「質を伴った成長に向けて『守り』を固めつつ、『攻め』の活動で将来への布石を打つ」とする。

石橋秀一グローバルCEO
石橋秀一グローバルCEO

 「守り」の面では、ブリヂストンWESTを中心に事業再編・再構築を進める。米ではTBタイヤを製造するラバーン工場の閉鎖など、事業拠点の最適化を図る。石橋秀一グローバルCEO=写真=は閉鎖する工場について、「ファイアストンを1988年に買収してから所有する工場で、生産性もコストも見劣りしていた」と指摘。1990年に稼働したウォーレン工場は設備投資も行っており「生産性も高い。拠点の最適化へシフトする」とした。

 経営体制を強化し、1月から副社長4人体制とし、EASTとWESTの事業責任とグローバルでの最適化を追求する「横串・グローバル最適責任」を明確化。ガバナンスの強化で「質のともなった成長」をめざす。

 「攻め」ではプレミアムフォーカスとグローバルビジネスコストダウン活動を加速させる。同社のENLITEN新車装着数を24年117車種から25年170車種まで拡大する。米欧での高インチタイヤやプレミアムタイヤの拡販も進めていく。コストダウンでは生産性向上を実施していく。

 石橋グローバルCEOは「25年も厳しい状況が見込まれるが、徹底して守りを固めながら攻めも着実に実行し、将来の成長に向けた道筋を開きたい」と決意を込めた。

【関連記事】