国内タイヤ4社の24年12月期連結業績(3)

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カテゴリー: ニュース

 売上高・営業利益で過去最高を達成

 TOYO TIRE 重点商品の販売が好調推移

 

 TOYO TIREの24年度連結の売上高・営業利益は、円安効果などの外部要因があり過去最高となった。

 タイヤ事業は販売本数が減少したものの重点商品の販売を促進し、売上高・営業利益ともに前年度を上回った。

 北米市場はアジア品を中心とした安価タイヤの流入があったが、新商品など重点商品の堅調な需要により販売量は前年度程度を確保した。

 欧州市場は全体の需要は前年並みで、プレミアム市場と廉価市場の二極化が進んだ。紅海の情勢悪化による物流遅延が影響し販売量は前年度を大きく下回ったが、値上げや商品ミックスの改善で売上高は前年並みを維持した。

 22年から操業を開始したセルビア工場は稼働率が向上し利益アップに寄与。フル生産化でグローバルでの最適生産体制を構築する。ドイツ・オランダ・イタリア・イギリスの販売会社の事業活動を順次停止し、セルビアに設立した統括会社が欧州全域の販売をカバーすることで、柔軟でスピーディな事業展開を進める。

 国内市販用タイヤは需要が減少し、販売量・売上高は前年度を下回った。新車用タイヤは同社製品装着車種の販売低調に加え、一部自動車メーカーの稼働停止の影響で販売量・売上高は前年度を下回った。

 設備投資は24年度計画453億円に対し256億円(うちタイヤ事業166億円)を実施した。

 25年度の通期予想は、売上高はタイヤ販売本数の増加で増収を見込む一方、営業利益は海上運賃や原材料価格の上昇、円高推移(為替前提は1USドル=146円、1ユーロ=156円)を想定し減益としている。

 

 中国・張家港の事業譲渡で合意

 瀋陽市の提携先に6月末予定

 

2011年12月7日現地で開かれたTTZ竣工披露式から。本紙撮影
2011年12月7日現地で開かれたTTZ竣工披露式から。本紙撮影

 TOYO TIREは14日、中国のタイヤ生産子会社であるTOYO TIRE ZHANGJIAGANG CO.,LTD.(本社・江蘇省張家港市、以下TTZと略)の持分86%をLiaoning Hengdasheng Investment CO.,LTD.(本社・遼寧省瀋陽市、以下LHI社と略)へ譲渡すると発表した。

 TTZは2010年、中国市場での乗用車・ライトトラック用タイヤの製造・販売を目的に設立。主に中国国内とアジア地域向けのタイヤを生産してきた。しかし、生産と供給面で、現地生産のメリットを生かせない状況が続いていたという。

 23年から同社製タイヤの販売で提携関係にあるLHI社に経営権を譲渡。今後、オペレーション上の必要なサポートを行なうとともに、従来TTZからアジア地域向けに生産、販売してきたタイヤは、日本やマレーシアより供給する。

 同日に基本合意書を締結し、2月28日に持分譲渡を契約、6月30日に持分譲渡を実行する予定。譲渡実行日付でTTZは同社の連結範囲から除外される。

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