現場に求められる「作業品質」の向上  ブレのない「基準」設定を

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ネコとタイヤイメージ
「作業品質」の重要性

 製品やサービスの品質を保ち、向上させていくことで顧客満足を高める。そのための方針やルール、仕組みなどを総称して品質マネジメントと呼ばれる。タイヤ販売・整備の現場でそれは「作業品質」とも言い換えられる。ひとの命を守る重要な保安部品であるタイヤは不良品を流通させてはならない。販売・整備に際しては、その作業に不具合やエラーがあってはならない。脱輪事故や空気充てん作業時の事故が発生している現状を踏まえると、「作業品質」の重要性について改めて目を向ける必要がある。(前後編の2回/前編)

 

 作業品質の向上には

 「基準」設定し守る

 

 「作業品質」を向上させるためには、「基準」を設けることが必要だ。その「基準」を明確化することで、合理性や客観性というものが得られる。

 社会問題化している大型車の車輪脱落事故から例をひくと、事故防止対策の要諦は「確実な作業」を実施することにある。

 ホイール・ナットを締め付ける際は締め過ぎに注意し、最後にトルクレンチを使用し必ず規定トルクで締め付けること。ホイール・ボルト、ナットの錆やゴミ、追加塗装などを除去すること。ボルト、ナットのねじ部と、ナットとワッシャのすき間にエンジンオイルなど指定の潤滑油を薄く塗布し、回転させてなじませること。これらの作業が「基準」となる。

 もう一つ、例をあげると、タイヤ空気充てん作業時の事故。既報のとおり、JATMA(日本自動車タイヤ協会)による「24年空気充てん作業時の事故調査」で、24年中に発生したタイヤ空気充てん作業時の事故件数は22件。直近3年で過去最多だ。事故の発生状況を検証すると、空気充てん特別教育を受講していない、安全囲いや減圧器を使用していないなど、作業の「基準」を満たしていなかったケースがみられる。

 事故を防ぐためには、法令を遵守し、労働安全衛生法令で定められた事業者・作業者の責務を厳守することが最重要。「基準」を守り、より高いレベルの作業品質の実現に向けた取り組みが強く求められる。(後編につづく)

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