SYNCHRO WEATHER/SPORT MAXX「プレミアム2ブランドの特徴を訴求」

ダンロップは春商戦でオールシーズンタイヤの「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」とプレミアム夏タイヤの「SPORT MAXX(スポーツマックス」シリーズを打ち出す。株式会社ダンロップタイヤのマーケティング本部消費財マーケティング1グループの松村尚典氏に話を聞いた。
―昨年の振り返り、市場分析について。
業界の需要動向は依然としてコロナ禍前の2019年の水準に戻っておらず、ユーザーは価格に対してシビアな目線を持っている。原材料高騰によるタイヤ価格の改定や、昨今の物価高騰も相まってこの傾向は引き続き継続するとみている。昨年の春商戦を振り返ってみても、需要は23年春商戦と同様の水準だった。今年の春商戦も前年比で微減、もしくは横ばいと見込んでいる。
このような環境ではあるが、明るい材料もある。SUVの販売が好調に推移していることから、それに対応した大口径タイヤへの需要も年々増えている。当社として、SUVをターゲットにしたタイヤの販売に注力していきたい。
―春商戦のメイン商品は。
オールシーズンタイヤのSYNCHRO WEATHER=写真左=と、夏タイヤのプレミアム商品であるSPORT MAXXシリーズ。24年10月に発売したSYNCHRO WEATHERは大谷翔平選手をCMに起用したことで認知が高まり、性能面でもご評価いただいたことから、販売も当初想定以上の成果を得ることができた。初めて迎える春商戦でもお問い合わせを多くいただいており、さらなる拡大を見込んでいる。
本年2月には、SPORT MAXXシリーズのプレミアムコンフォートタイヤSPORT MAXX LUX(以下、LUX=写真右=)を上市した。このタイヤのキャッチフレーズは「静かに走る。なのに走りを楽しめる。“没入”の時間へ。」と銘打つ通り、静粛性と操縦安定性がポイントだ。
このLUXにRSと060+を加えた3商材をダンロップのSPORT MAXXブランドとしてブランディングし、注力する。
―SYNCHRO WEATHERとSPORT MAXX、すみ分けは。
SYNCHRO WEATHERは、アイスグリップシンボルが刻印されているオールシーズンタイヤで、これまでのオールシーズンタイヤとは一線を画した。
例えば、突然雪が降った時や氷上路面の走行が必要な場合でも、スタッドレスタイヤに履き替えなくても、SYNCHRO WEATHERで走行が可能になる。こういった点に価値を感じていただけるお客さまに使用いただけるよう、認定店制度を設けて販売店でもしっかりと商品の性能特徴を説明できる体制を整えている。
一方、SPORT MAXXシリーズは夏タイヤであり、基本的には春夏シーズンがメインだ。春商戦ではLUX、RS、060+の3商材を前面に押し出す。
本年2月に上市したLUXはとにかく音が静かで、従来品に比べてパターンノイズは14.9%減、ロードノイズは8.8%減となった。自分好みの車内環境で運転を楽しめる。これを当社は「没入性能」と表現しているが、運転に没入できる環境をタイヤ性能で演出することができる。
また初めて当社基準による「EV適応」の刻印をタイヤに付与しており、今後の自動車業界のトレンドにも応えられる商品となっている。
―プロモーションは。
SYNCHRO WEATHERは非降雪エリアに需要が多い。需要のあるエリアを中心にTV CMなどで商品の認知の拡大を図っていく。
SPORT MAXXブランドは、LUXが加わったこともあり、積極的にブランディングをはかる。SPORT MAXXシリーズに共通する「操縦安定性」を商品特徴として訴求しつつ、こちらも各種広告を通じてユーザーとコミュニケーションしていきたい。
SPORT MAXX、SYNCHRO WEATHERともに、購入者キャンペーンとして、抽選で体験型商品をプレゼントする。SYNCHRO WEATHERのご購入者にはアクティブなグランピング体験、SPORT MAXXはラグジュアリーな食事体験をご用意している。
―今後へ向けて。
SYNCHRO WEATHER、SPORT MAXXそれぞれの特徴をしっかりとお伝えしながら、春商戦のメイン商品としてユーザーへ提供していきたい。