タイヤメーカー4社の新卒者採用  人材確保に工夫こらす。中途採用も活発化

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 本紙は国内タイヤメーカー4社に対し、新卒者の採用状況に関するアンケート調査を実施。各社の回答をベースに〈一覧表〉としてまとめた。

 厚労省によると、25年3月卒業予定の大学生の内定率は92.6%(3月14日時点)となり、調査開始以降で過去最高の数字となった。就活市場は「売り手市場」の様相を強めるが、4社の採用活動はどうだったか。

 大卒以上の事務系と技術系を合わせた採用者数をみると、住友ゴム、横浜ゴム、TOYO TIREの3社が前年比増加、ブリヂストンは同数。現業の技能職はTOYO TIREが増加、住友ゴムが同数、ブリヂストン、横浜ゴムが減少となった。採用計画の達成率はブリヂストン・横浜ゴムが「計画通り」、住友ゴムは「やや未達」だった。

 採用活動で力を入れたポイントは、「インターンシップ/自社採用イベントを拡大し会社の中を見せる工夫をした」(ブリヂストン)や「オープンカンパニーなどイベントの開催・コース別採用でミスマッチの低減を図る」(住友ゴム)、「インターンシップの回数・参加枠増加、スカウティングの実施」(横浜ゴム)、「当社の事業に魅力を感じてもらう機会として東京オートサロンの当社ブースの見学ツアーなど、内定者との接点を増やした」(TOYO TIRE)など、各社とも入社前に業務をイメージしてもらう工夫がみられる。

 選考ではコミュニケーション力とともに「社風に合うか」を重視する傾向がある。採用イベントなどを通じ、各社が慎重に選考する姿勢がうかがえる。また「将来グローバルに活躍が期待される人材を採用するため、特に『考える力』と『やり抜く力』を重視」(TOYO TIRE)など、グローバルな事業展開にふさわしい人材も求められている。

新卒採用実績 一覧表
新卒採用実績 一覧表

 中途採用も活発だ。「必要な時期に必要な即戦力人材が確保できる中途採用を重視している」(住友ゴム)と、各社ともに積極的な姿勢がみられる。24年度の中途採用実績はブリヂストン22名、住友ゴム76名、横浜ゴム165名、TOYO TIRE59名だ。

 今後の採用予定は新卒/中途採用ともに「前年同様」「微増」の回答が多い。事業環境は不透明な状況が続くものの、新しい人材の確保にこれまで以上に期待がかかる。

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