NSXへの採用は大きなチャンスに
新型NSXへの採用が決まったコンチネンタルの「ContiSportContact 5P」。NSXへの装着によるブランドイメージへの効果、販売へいかに寄与していくのか。――後編ではコンチネンタルタイヤジャパンの高橋部長にマーケティング戦略を聞きました。
【販売・マーケティング編】夢のクルマと同じタイヤを。ユーザーの心を満たす
「NSXに採用されたのは大きなチャンスだ。消費者に対して、“技術のコンチネンタル”としてブランドイメージを固め、製品を強くアピールしていきたい」と、コンチネンタルタイヤ・ジャパンの高橋徹雄部長は語る。
ABSやESCをグループ内で開発できるコンチネンタル。タイヤに必要とされるさまざまな技術に対し、他社にはないアドバンテージを持つ。
「ホンダの最高のスーパーカーに採用されたことで、当社のタイヤが持つ性能と技術が改めて証明された」
「5P」は発売から6年が経過している。ドライとウェットの性能を高めた後継の「6」と比較しても乗り心地は遜色ないレベルにあるが、販売展開は落ち着きつつあった。
だが、NSXへの採用によって再び世間の注目を集めたことが、タイヤ販売全体にも好影響をもたらしている。
「スポーツタイヤとは思えない乗り心地と、街乗りからそのままサーキットを走れる性能。この両面をより消費者にアピールしやすくなった。また、NSXが広く話題になり、多方面からの関心を得たことで、消費者がコンチネンタルというブランドに目を向けるきっかけにもなる」
ウルトラハイパフォーマンスタイヤは、サイズが比較的大きく、合致する車両が限られるため、取扱店舗も多いとはいえない。「NSX」自体の販売台数も限られるため、「装着そのものが直接的な数字に繋がるわけではない」。
一方で「今回の開発技術を投入した他のタイヤ販売に、NSXは大きな後押しをくれる」と期待を込める。「夢のクルマ、憧れのスーパーカーと同じタイヤを使う。サイズは異なるが同じ技術を搭載したタイヤを履く。ユーザーの心を満たすという面でも販売促進に効果があった」
ウルトラハイパフォーマンスタイヤは消費者が実際に乗り心地を試す機会は少ないが、高価なタイヤに対してユーザーの判断基準となる指標が増えたことは、販売にとって得難い好機といえる。
「今後、NSXへの装着によって得られた多くの効果を足掛かりに、技術力の高さを押し出し、より幅広いラインアップへの販売拡大に繋げていきたい」
同社では「Sport Contact 6」と併せて、今後も技術力の結晶であるウルトラハイパフォーマンスのイメージを訴求していく考えだ。