デロイトトーマツリスクサービスは4月20日、都内でサイバーセキュリティ先端研究所によるセミナーを行った。今回のテーマはあらゆるものがネットに繋がる「IoT時代の車両セキュリティ」。
同社ではIoTを導入したデバイス数は2025年までに全世界で現在の3倍以上に増加すると見込んでいる。その中でも自動車向け市場は年平均22%の伸びが推定され、産業向けデバイスについで高い成長率が見込まれる。
自動車を取り巻くセキュリティ関連の要素は、「車両システム」「OEM環境」「サービス提供者・利用者」と大きく3種類ある。その要素も車体本体から、製造や整備、利用者やソーシャルメディア、保険会社など非常に多岐にわたる。
同社の高橋宏之シニアマネージャーによると、自動車にはGPSやセンサーなど様々なセキュリティリスクが潜んでおり、「例えばドライブレコーダーとナビシステムで連携機能がある場合など、悪意のある第三者が開発したアプリによって、車内カメラのデータが盗聴され、ウェブ上に公開される」といったリスクも想定できる。
近年、車載電子機器に起因するリスクの兆しが強く、車外から遠隔操作できる可能性を研究機関から指摘され、「ジープチェロキー」が大規模なリコールに発展したケースもある。さらに各社が進めているタイヤとネットワークを繋いだ取り組みも、「今後、車体全体の総合的なセキュリティと合流し、見ていく必要がある」と話している。
本格的なIoT時代の幕開けに向けて、タイヤを取り巻くセキュリティ事情も変革を迎えつつある。