廃タイヤのリサイクル率 2年連続で9割超に

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 日本自動車タイヤ協会(JATMA)がまとめた2016年の廃タイヤ(使用済みタイヤ)リサイクル状況によると、昨年1年間の廃タイヤの発生量は9400万本(99万7000トン)となり、前年と比較して本数で100万本、重量で3000トン減少した。また、リサイクル利用量は90万3000トンと1万9000トン減少した。リサイクル率は前年より1ポイント低下して91%となったものの2年連続で9割以上の水準となった。

 廃タイヤのルート別の発生量は、「タイヤ取替え時」は本数が前年並みだったが、重量ベースでは2000トン増加した。これは乗用車用タイヤの販売本数が減少し、小形トラック用及びトラック・バス用タイヤの販売本数が増加したことによる。一方、「廃車時」は廃車台数の減少に伴い、本数、重量いずれも減少となった。

JATMAリサイクル率
廃タイヤのリサイクル状況

 リサイクル利用量は合計で90万3000トンと前年より1万9000トン減少し、率にして1ポイントマイナスの91%だった。このうち、製紙や化学工場などで使用される「熱利用」は総発生量の63%にあたる62万6000トンとなり、対前年比では3%の減少。製紙工場向けは3万2000トン減少し、全体の発生量に占める構成比は前年の44%から41%に低下した。

 「原形加工利用」は1%減。内訳をみると、更生タイヤ台用は5%減、再生ゴム・ゴム粉が1%減、その他が67%増だった。

 2016年の輸入量は合計約6万6000トンで、前年から8000トン減少した。近年、国内発生分の廃タイヤだけでは必要量を満たせず、海外から廃タイヤの切断品/破砕品を有価購入する状況が続いているが、輸入量はピークだった2013年から年々減少傾向にある。

 なお、この統計は国内で発生した廃タイヤの集計結果であり、輸入量は含まれていない。

不法集積・投棄は13トン増

 JATMAがまとめた今年2月時点での不法集積・不法投棄は、合計件数が1年前に比べ1件少ない91件となったものの、数量は13トン増の3万5741トンだった。新規案件は3件あったが、新規に発生したものではなく、新たな情報として確認されたもの。

 また昨年1年間に自治体及び行為者が撤去作業を行った件数は4件あった。このうちJATMAの原状回復支援制度を利用したのは1件(岐阜県瑞浪市)だった。

 同会では「代替燃料での需要は依然として高く、全体的に不法集積・投棄は減少傾向にある」としている。


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