タイヤ整備の技能コンテスト各地で開催 作業技術の向上へ

住友ゴム工業 安全作業の浸透へ

 住友ゴム工業は北海道北広島市のタイヤランド輪厚で「第8回DTS全国TBタイヤ作業コンテスト」を開催し、報道関係者にその模様を公開した。

DTS全国TBタイヤ作業コンテスト
(左から)審査を行う谷村一晴ダンロップタイヤ生産財部長、増田栄一執行役員、志賀美也リテール部長

 現地で会見を行った増田栄一執行役員タイヤ国内リプレイス営業本部長は、「安全作業を浸透させ、作業が起因となる脱輪事故の撲滅を図ることが大きな目的。そのためには作業スタッフのモチベーションを上げること、作業技術の伝承を行うことが大事だ」と、同コンテストの意義を語った。

 また志賀美也リテール部長は、生産財タイヤの作業の取り組みについて、次のように説明している。

 「当社は2013年からサービスイノベーション活動を展開しその深化に取り組んでいる。これはお客様の要望を事前に察知し期待以上の価値をご提供しようというもの。また生産財タイヤのビジネスにおいては商品力と営業力とともに、作業力が不可欠の要素だ。

 脱輪事故が発生すると重篤な災害となる可能性がある。事故を未然に防ぐ正確な作業がマスト。安全で確実、効率的な作業を行いそのレベルを上げること、点検の重要性をお伝えすることで脱輪事故を抑制していく」

DTS全国TBタイヤ作業コンテスト
DTS全国TBタイヤ作業コンテストの出場者

 同社では2010年に第1回目のコンテストを開催。2014年にTB作業の社内認定制度「T3」(TBテクニカルトレーナー)を直営店に導入し、2016年からそれをDTS店にも拡大展開。併せて、このコンテスト参加対象もそれまで直営店に限っていたものを、今年からDTS店まで拡大した。

 第8回コンテストには、全国10エリアの地区予選会を勝ち抜いた10名が出場。筆記試験と実技により、全国236名の「T3」認定者の頂点を目指した。

 今回の実技では、新品タイヤ&ホイールの脱着交換作業を想定。大型車の脱輪事故の要因となり得る「ハブ部やハブボルト・ナットの点検と清掃」を重点テーマに設定した。

 「安全・確実を意識した効率的な作業」「点検・清掃の確実性」「点検結果報告とアドバイスの正確性」を主眼に、51もの項目について、審査員が厳しくチェック。その結果、タイヤランド知立(ダンロップタイヤ中部)の松村純氏が優勝した。

 松村氏は「今年、3度目の正直で全国大会の切符を手にした。日頃から意識していることを発揮できたのが良い結果に繋がった。今後、作業のスペシャリストに成長できるよう、更なるステップアップを目指したい」と、喜びのコメントを明らかにしている。

横浜ゴム 効率性も重要視

横浜ゴムの技能コンテスト
今回から専業店もコンテストの審査員として参加した

 横浜ゴムは横浜市中区のヨコハマタイヤネットワークサービス首都圏本牧支店で、直営店を対象にした技能コンテストを開催した。当日は全国から予選を勝ち抜いた13名が整備技術と接客のスキルを競い合った。

 この活動は、「全国どこでも同じレベルのサービスを提供すること」(同社)を目指して2015年にスタートした。当初は作業マニュアルをどれだけ確実に実行できるかに重点が置かれていたが、3回目となった今年は、“安全”と“正確”に加えて規定時間内で作業を完遂する“効率”をテーマに加えた。

 現地で取材に応じたヨコハマタイヤジャパンの池田均社長は、「トラック・バスの場合はサービス体制が重要だが、人の確保が大変になりつつある中、ピーク時にどれだけの人員が必要なのか、いかに効率的に人材を回すかが重要になる」とその目的を話す。

横浜ゴムの技能コンテスト
横浜ゴムの幹部と技能コンテストの参加者

 また昨年からコンテストをタイヤ専業店のオーナーらに公開していたが、今回は審査員としてより踏み込んだ形で参加を要請。当日は横浜ゴムの審査員とともに評価を行った。

 池田社長は「来年以降は2人作業などを取り入れて、より現場に即した内容にするとともに、将来的にはオーナー店の方にもコンテストに参加して頂くことを検討したい」と展望を話した。

 また「どこの直営店でも作業マニュアルに準じて、正確、安全に効率良く、同じレベルのサービスを提供していくことが理想となる」と述べ、作業時間も含めて技術力の一層の向上に取り組んでいく考えを示した。


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