タイヤワールド館ベスト清田店「できません」とは言わない店に

 大型ショッピングモールが続々と誕生し、札幌市内で今、もっとも注目度の高いスポット、清田区。そのアクロスプラザ清田に10月5日、グランドオープンしたのがタイヤワールド館ベスト清田店(札幌市清田区)だ。北海道内でタイヤワールド館ベストをフランチャイズ展開する三光産業(北海道帯広市、髙橋勝也社長)が、それまでの札幌市北区新川のタイヤワールド館ベスト新川店を移転し、ここに新規開店したもの。三光グループとしては3店目、タイヤワールド館ベスト(宮城県仙台市宮城野区、菅野孝志社長)としては14店目。清田店は敷地面積約300坪、店舗の延べ床面積約100坪という規模。ピット3レーン、整備作業ピットとは別に独立した洗車・カーコーティング専用ピット1レーンを完備。3D型4ホイールアライメントテスターをはじめ、タイヤチェンジャーやホイールバランサーなどタイヤ整備機器にはハイエンドモデルを取り揃え、“タイヤのプロ”を強く打ち出している。オープン直前の4日、現地で三光グループの髙橋佳男常務取締役と大本永吉店長にインタビューし、新店にかける意気込みを聞いた。

ワンストップサービスの実現を

 ――このエリアはどのような特性ですか。

髙橋佳夫常務取締役
髙橋佳夫常務取締役

髙橋 これまで札幌市北区新川で4年、新川店を営業し、売上げ等は毎年成長し続けていました。ただ、さらなる拡販を図ることを考えると、新川は『これからも成長し続ける』場所ではないのではないか。一方で20代、30代の子育て世代を中心とした若い人たちが札幌市内で住みたい町としてナンバー1に挙げるのが、ここ清田なのです。

 アウトレットや札幌ドームなどの大型施設が多数あり集客力が非常に高く、町全体が活気に溢れています。またこのエリアは地下鉄が通っていないので、完全にクルマ社会なのですね。そういう点でも、出店を考える上でのポイントとなりました。

 ――市の中心部から、ここへ来るまでの間に、競合店を多く見かけました。他店との差別化をいかに図り、タイヤワールド館ベスト清田店の存在感をアピールしたいと考えますか。

髙橋 当社がこれまで長い年月をかけ培ってきた、タイヤ専門店としての技術、サービス、接客――これらの積み重ねを清田店でしっかりと表したい。この清田店が当社グループでもっとも新しい店なのですが、ここが既存の帯広店、苫小牧店をリードし、これらの店を変えていくようにもしていきたい。

 そう言いますのも、当社グループではこれまで、タイヤ専門店として、タイヤ・ホイールの販売に注力し取り組んできました。しかし、ここ清田店では今までにない、新しいことに意欲的に取り組んでいきます。

 例えば、4輪ホイールアライメントはその筆頭ですね。それにオイル交換。用品・部品の販売・取付。認証工場の免許をまもなく取得しますので、車検・鈑金、分解整備もここで行うことができるようになります。ほかにも手洗い洗車、下廻りの塩害クリアコート、ボディコーティングなども行います。

圧迫感がなく店内を一望できる、明るい店づくり
圧迫感がなく店内を一望できる、明るい店づくり

 今、世の中はタイヤ・ホイールをはじめ、さまざまな用品・部品まで、インターネットで購入する時代になっています。ですから、店舗ではお客様の持ち込み品の取付も多くなってきています。今までのように、持ち込みだからできませんという時代ではなくなってきたということです。

 また、1つの店で何でもできるということを、お客様は強くお求めになっています。あれはできるけど、これはできませんとなると、お客様は足を運んでくれません。この清田店でクルマに関わるワンストップサービスを実現したいと考えています。

 競合店のことはほとんど意識していません。当店はタイヤ専門店ですが、扱うメニューがまったく違いますので。タイヤ・ホイールをお求めになるためにお客様が清田のエリアへお越しになるという意味で相乗効果を発揮できれば良いですし、そこで当店らしさ、当店ならではのものをしっかりアピールし差別化を図ることで、ご来店いただけるものと考えます。

「できません」とは言わない店に

大本永吉店長
大本永吉店長

大本 この清田という成長性の高いマーケットに店を出してもらったということで、会社のその期待に応えられるよう、きっちりと集客していきます。

 お客様からは『清田店なら何でも揃う』『清田店に来れば何とかなる』と言っていただけるよう、クルマに関係するものは何でもやっていこうと思っています。

 『できません』とは決して言わない店にしていくつもりです。お客様にご来店いただけるきっかけづくりを、これからもどんどん増やし、そこを起点にタイヤ販売に繋げていきたいと考えます。

髙橋 店づくりには今回、非常にこだわりました。お客様が“落ち着いて寛げるスペース”にするためにはどう演出すべきか。そこでまず、フロアは本物の木材ではないのですが、ウッド調の床材を採用しました。名古屋発祥のコーヒーチェーン店がヒントになりましたね。

 お客様の待合では、お客様同士が向かい合わせにならないよう、ピット方向に向くようにイスをセットしています。ストレスなくお座りいただきたい。飛行場の搭乗口の待合がそのようになっていますが、その考え方と一緒です。

 また待合の一画には女性専用テーブルをセットしました。併せて女性店員も2名、採用しています。やはり女性のお客様にはお一人であってもお気軽にご来店いただきたいですから。

 壁部分を除いて背の高いラックを使わず、お客様の視点よりも高いところにタイヤ・ホイールを陳列していません。大きなタイヤがうずたかく積んであると圧迫感がありますから、それをやめ、店内を広く一望できるようにしています。

ピットにはピンクカラーの機器を揃えた
ピットにはピンクカラーの機器を揃えた

大本 ピットには小野谷機工製のピンク色のタイヤチェンジャーとホイールバランサー、自動空気充てん装置付きのタイヤケージを揃えました。またピット壁面をホワイトで統一し、明るいピットに仕上げています。女性のお客様へのアピールもありますが、女性スタッフが楽しく快適に働ける職場環境という意味も込めています。これまでタイヤショップは男の世界という感じでしたが、この清田店はそうではなく、女性も楽しめるお店にしたいと、いろいろと工夫を凝らしています。

 ――オープンに際して意気込みを。

髙橋 清田店ではタイヤの預かりサービス「タイヤストックメンテナンス」を開始しました。お客様と長くお付き合いさせていただき、お客様には痒いところに手が届くようなサービスをご提供していきたいと考えています。

大本 これまで培ってきたタイヤ販売・サービスのノウハウを活かしつつ、これからスタートする新たなメニューを一つひとつ積み上げ、プランを着実に実行していきます。


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