「東京モーターショー」にブリヂストンは持続可能なモビリティ社会に向けたイノベーションの旅路をテーマに出展した。ブースには、2015年のソーラーカーレース「ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」で活躍した工学院大学のソーラーカーや、「エアフリーコンセプト」採用のタイヤを搭載した自転車の試乗コーナーを設置した。
ソーラーカーには、低燃費タイヤ「ECOPIA with ologic」(エコピア・ウィズ・オロジック)を装着。タイヤの幅を狭く、径を大きくすることで、空気抵抗や接地面の変形を抑制し、転がり抵抗を低減した。
開発担当の中央研究所研究第2部の松本浩幸フェローは、「従来の省エネルギーのタイヤは転がり抵抗性能とウェット性能の両立が難しかった。だが、『オロジック』は構造的に接地面のエネルギー損失を抑えているので、ゴム自体はブレーキ性能の向上に振り向けられる。そのため、環境性能と安全性能を高次元で両立できた」と説明する。
一方、「エアフリーコンセプト」は、樹脂でできた特殊形状スポークによって荷重を支えることで、メンテナンスフリーを実現したもの。また、材料にリサイクル可能な樹脂やゴムを使用し、資源の効率的な活用を図っている。
新事業戦略企画部新事業統制管理ユニットの村澤圭ユニットリーダーは、「今回のようなイベントでお客様に実際に乗って頂いて、意見を取り込むことを繰り返している。路面のショックを吸収するためにスポークはどういう形が最適か、またどこまで薄くできるのかを、2019年の市販化に向けて試行錯誤している」と話していた。
ほかにはプレミアム商品である「BLIZZAK VRX2」(ブリザック・ヴイアールエックスツー)や「POTENZA S001」(ポテンザ・エスゼロゼロワン)、「REGNO GR-XI」(レグノ・ジーアール・クロスアイ)をはじめ、ランフラットテクノロジー採用タイヤなどを紹介し、安全・安心な移動を実現する技術をアピールした。