住友ゴム工業は「東京モーターショー2017」でダンロップとファルケンの2大ブランドを訴求した。
ダンロップブースでは、タイヤの新品時の性能を維持する「性能持続技術」を採用したコンセプトタイヤを披露した。摩耗や経年劣化による性能の低下を抑え、5年が経過しても新品時の性能と変わらないことを可能にする技術で、2020年の量産化を目指す。
この技術では性能持続を実現するため、摩耗による性能変化を予測できるシミュレーション技術を活用し、摩耗しても性能に影響しにくい溝形状や、摩耗を均一化させるためのプロファイルを採用する。また、ゴム表面や内部の劣化状況を解析し、損なわれた成分を補う新材料の開発などを進めていく。
タイヤ国内リプレイス営業本部販売企画部の有馬翔吾氏は「2万km走行してもウェットグリップ性能が変わらないので、安全性が高い」とその特徴について話した。
同社は昨年発売したスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX02」(ウインター・マックス・ゼロツー)に一部の性能持続技術を実用化している。これはゴムのしなやかさを維持する「液状ファルネセンゴム」で、効きの長持ち性能の実現に繋げている。
また、前回の東京モーターショーで発表したエアレスコンセプトタイヤ「GYROBLADE」(ジャイロブレイド)は、トレッドゴム内部の構造や荷重を支える樹脂製スポークの配置を改良し、従来モデルと比較して静粛性や乗り心地、耐久性を向上させた。
タイヤ技術本部AT開発部の岩村和光課長は「スポークの数自体は変わっていないが、より滑らかな形にした。トレッドゴムを柔らかくするため、コンパウンドなどを改良している」と説明した。
ファルケンブースでは、プレミアムスポーツカー向けタイヤ「AZENIS FK510」(アゼニス・エフケイゴイチゼロ)を参考出品した。同商品は先行発売した欧米で好評を得ており、日本市場への導入も計画している。また、ヤマハが初公開したSUVコンセプトモデル「クロスハブコンセプト」に装着されたコンセプトタイヤなどを展示した。