愛知タイヤ工業の生産拠点は本社に隣接する小牧工場と春日井工場の2工場。小牧工場では比較的小径のタイヤを生産しているのに対して、春日井工場はホイールローダー用の24インチクラスまで対応する。生産面で主力となる同工場には約70名のスタッフが在籍している。
フォークリフト用タイヤは用途によってゴムをアレンジする必要があるため、30種類以上のゴムを使い分け、生産品目は約500種類にも及ぶという。
同社の岡田直樹取締役生産技術部門長が「ノーパンクタイヤはいわばゴムの塊」と話すように、タイヤの中心部から外側に向けてベースゴム・中層ゴム・トレッドゴムと複数の層に分かれているのが空気入りタイヤにはない特徴だ。
生産工程はゴム練りを経て、ベースとなるゴムに中層ゴム、そしてトレッドゴムを巻き付ける。その後、モールドにセットして加硫するのが一連の流れとなる。完成した製品は小牧工場へ運搬してホイールにセットした上で出荷する。
1977年に稼働した歴史ある工場だが、新たな設備導入も進めている。その一例がビードワイヤーの内製化だ。以前は外部から調達していたが、2016年に完全自動化した生産設備を導入した。またオペレーターの負担低減を目的に、生タイヤを加硫機へセットする工程の自動化も検討しているという。
岡田取締役は「横浜ゴムのグループになったことで、特に社員の意識が変わった」と話す。その上で「横浜ゴムのタイヤ工場を見学して改善活動や安全、品質への取り組みなどを勉強できた。これからも継続して安全性と作業環境を向上し、発展させていきたい」と展望を話していた。