ブリヂストンタイヤジャパンは2月23日、輸送事業者向けにタイヤの整備作業に関する説明会を開いた。当日はブリヂストンタイヤサービス東日本の東雲店(江東区)で大型トラックのタイヤ脱着作業も公開し、安心安全な運行を支える整備技術を訴求した。
同社は輸送事業者に対して商品と作業の2つを軸にサービスを提供している。商品面では、低燃費タイヤやリトレッドなど様々なニーズに対応した商品を展開する。
一方、タイヤの管理や適正なメンテナンス提案といった作業面の取り組みでは、高品質なサービスの提供を目標に掲げている。この日、公開した作業では、ミスをなくすための仕組みや徹底した部品清掃が印象的だった。
例えば作業手順には、複数の作業員が同じ車両のメンテナンスに携わることを想定し、タイヤに印を付けて作業進捗を明示する。またトルクセッターでナットの締め付けを行う際も、一度の対角締めで終わるのではなく、再度の閉め忘れの確認が必須だ。さらに、部品の清掃も重要なポイントで、手作業や機器を使って入念に実施されていた。
このような細かな作業を徹底することは、ユーザーの安全に繋がるのはもちろん、部品の長寿命にも寄与している。
ブリヂストンでは、これらの作業を「作業標準書」にまとめ、現場のスタッフに浸透させる取り組みを強化している。このマニュアルは毎年改訂しており、全国での作業品質の均質化を図っているという。さらに、標準書を配布するだけではない。「手を変え、品を変え、高い品質の作業の浸透に努めている」(担当者)。
その一つが2010年から実施している「技能グランプリ」だ。ほかにも、情報共有を目的とした地域ごとの「メンテナンス会議」などを通じて作業品質の維持向上を目指している。
「最高の品質で社会に貢献」を経営理念とするブリヂストングループ。ブリヂストンタイヤジャパンの中田安昭専務執行役員は、「商品はもちろん、作業など全ての品質について精進していきたい」と意欲を語った。