住友ゴム工業はトルコ工場の敷地内に「安全体感棟」を設置して2017年10月から稼働した。新しく採用した従業員へ安全に対する基本的な教育を行うことが目的。
福島県の白河工場など国内工場にある施設を参考にしたもので、労働災害のリスクをシミュレーションし、機械への巻き込まれや重量物の落下といった事故の際に起こり得る「痛み」や「恐怖」を擬似的に体感できる。
体感プログラムは、過去の事故事例などを参考に、現在は24種類ほど用意されている。工場の全ての従業員へ年2回の受講を義務付けており、これまで延べ1524名が参加。取り組みを始める以前の2016年に8件あった事故は、2018年は3件まで減少したという。
担当者は「この施設でシミュレーションしてどれくらい危ないかを体感できるため、現場で安全な作業が守られるようになった」と成果を話していた。
なお、CSR活動の一環として近隣地区の学校にも施設を開放し、日本ならではの安全に対する考え方を伝える場を設けている。