日本ミシュランタイヤの建設機械用タイヤ “サービス力”武器に更なる普及へ

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カテゴリー: レポート, 現地

 現地で話を聞いて、印象深いのはタイヤディーラーに対する信頼の高さだった。同社を担当するタイヤディーラー・篠崎タイヤ販売株式会社とミシュランのセールスが定期的に実施する点検サービスが、ミシュランを継続的に採用する大きな理由となっているようだ。

 栗原所長は「大体3カ月に1回、来社して摩耗具合や空気圧をチェックしてもらえる。また『サイドカットしている場合もあるので気を付けてください』などと、我々が行う日常点検では見落としがちな細かい部分も含め、その場でデータを出してもらえるので助かっている」と話す。

 「顧客にとって何が最もメリットになるのか」――ディーラーとセールスが一体となることがミシュランの強みだという。まさしく、それを体現する現場を見た。

新興国、資源国で旺盛な需要

鉱山
(ミシュラン提供)

 ミシュランの建設・鉱山車両用タイヤの生産拠点は今年6月現在で、世界6カ国合計7拠点ある。

 この中で51インチ以上の超大型OR用タイヤを生産しているのはスペイン・ビットリア工場、北米・レキシントン工場、ブラジル・カンポグランデ工場の3カ所。さらに2013年末には米・サウスカロライナ州アンダーソンにある既存工場でも超大型OR用タイヤの製造ラインが稼働する予定だ。

 ミシュラングループでは、2012年の決算報告資料の中で「鉱山業分野は、鉱石、石油および天然ガスの持続的需要に牽引されて拡大を続けている」としており、今後も大型タイヤ市場は好調を維持する見込みだ。

 日本ミシュランタイヤ大型タイヤ事業部営業部の太田保夫部長は「欧州はまだまだ経済が縮小傾向にあり、北米は持ち直しているが、まだ本格回復には至っていない。そうした中で、新興国や資源国では旺盛な需要が続いている」と話す。とくに資源国では「リーマンショックの後でも落ち込みはそれほど大きくなかった」そうだ。

 一方、国内需要は、公共事業の増減や景気動向に左右されることが多いため、不透明な状況が続くものと思われる。

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)の統計によると、国内の建設車両用タイヤの販売は、リーマンショックの影響を受けた2009年は、対前年比で新車用が58%減、市販用が35%減と激減したが、2011年以降は持ち直しつつある。

 2012年の実績をみると、新車用はリーマン前の2006年、2007年とほぼ同水準まで回復している。ただ、市販用は値上げの影響などもあり、この10年でピークだった2007年の7割程度となっている。


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