「東京オートサロン2019」タイヤメーカーが存在感発揮

 1月11日から13日の3日間、千葉市の幕張メッセで開催された世界有数のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2019」。来場者数が過去最多の33万666人となり、盛況のうちに幕を閉じた。会場では近年人気のSUVをはじめ、最新のスポーツモデル、ラグジュアリーカーなどが高い存在感を発揮。タイヤメーカー各社もそれぞれのブランドが持つ世界観を全面に訴求してクルマの魅力や楽しさ、興奮を演出して多くの来場者を惹きつけた。

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 ブリヂストンは、国内外における様々なモータースポーツ活動と、スポーツタイヤブランド「POTENZA」(ポテンザ)を中心に出展した。

 今回の展示について、担当者は「車両ではなくタイヤを主役とした。下からタイヤを覗けるコーナーや、サーキット走行の音を再現したブースでタイヤに興味を持ってもらいたい」と話していた。

 ブースでは、3月から順次発売予定の「POTENZA RE-12D TYPE A」を出品。ハイグリップスポーツタイヤ「POTENZA RE-12D」のコンパウンドなどを変更してジムカーナ競技用のスペックにした。さらに、昨年7月に発売したプレミアムスポーツタイヤのフラッグシップ商品「POTENZA S007A」などを展示した。

 また、佐藤琢磨選手のドライビングを再現したアトラクションコーナーでは、シアターのような大画面や走行時の揺れを再現したシートなどで来場者を楽しませていた。担当者は「『限界を楽しめ。』というコピーを掲げたが、その限界の走りを支えているのは当社のタイヤであるという点を伝えたい」と述べた。

 そのほか、「SUPER GT」のGT500クラスで活躍する「LEXUS TEAM KeePer TOM’S」の車両や、「POTENZA S007」を装着した「Aston Martin DB11 AMR」を展示したほか、佐藤琢磨選手のトークショーなどを開催した。

 住友ゴム工業はダンロップとファルケンの両ブランドでそれぞれブースを展開した。

 ダンロップブースは、“スピリット・オブ・エボリューション”をコンセプトにブランドを訴求した。今回の目玉は、同社が2017年に発表した「SMART TYRE CONCEPT」の技術開発を紹介する体験型ラボ。

 担当者は「今年から交通事故『ゼロ』のモビリティ社会の実現を目指すというメッセージを発信していく。これまで天候や摩耗状況により差があった制動距離を極力少なくするなど、自動運転や自動ブレーキをより安心して使って頂けるような、これからの自動車社会に貢献するタイヤの開発をお伝えしたい」と話す。すでに同コンセプトのシミュレーション技術が活用されている「エナセーブEC204」や「LE MANS V」に続いて、今年の下期には一部の技術を盛り込んだタイヤも発表予定という。

 そのほか、第2回ルマン24時間レースで優勝した車両と同型で同年に製造された「ベントレー・3リットル・スピード」と、現在ダンロップが新車装着タイヤを納入している「ベントレー・ミュルザンヌ・スピード」を展示。担当者は「イギリスの伝統あるベントレーは昔も今もダンロップを装着している。ダンロップが昔から信頼されているブランドであるということをお伝えしたい」と話した。

 ファルケンは3月1日から発売予定のオフロードタイヤ「WILDPEAK M/T01」、ドレスアップタイヤ「ZIEX S/TZ05」と、5月1日から発売予定のオールテレーンタイヤ「WILDPEAKA/T 3W」など、ファルケンタイヤ装着車両や市販用の高性能タイヤを展示した。

 3商品は米国で高い人気を得ており、特にワイルドピークシリーズの日本市場への導入について担当者は「オフロードタイヤの需要は国内でもある。ダンロップで展開しているGRANDTREKシリーズにワイルドピークシリーズを加えることで、お客様の選択肢を広げたい」と話していた。

 横浜ゴムは、趣味としてカーライフを楽しむユーザー向けの「ホビータイヤ」の多彩なラインアップや、市販用タイヤにも活用する技術開発に取り組む「ハイレベルなモータースポーツ活動」を訴求した。

 ブースでは、ADVAN(アドバン)のストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA」の将来コンセプトモデルを披露した。同モデルでは、開発・企画の情熱などを込めた、ネオバブランドの炎をイメージしたパターンを継承したほか、コーナリングでグリップ力を感じられる走行性能などを目指すという。

 担当者は「すでに数パターンを設計し、性能テストなどを実施している。ネオバはカスタマイズやサーキット走行などを楽しむユーザーに人気があるが現行商品の発売から時間が経過したため、来場者には開発の進捗をアピールしたい」と語っていた。

 また、今年春に発売予定のドレスアップ向けタイヤ「AVID ENVigor」と、クラシック車両向けの「G.T. SPECIAL CLASSIC Y350」を展示した。

 「AVID ENVigor」はオールシーズンタイヤで、19~20インチの大径タイヤを4サイズ発売する計画。担当者は「日本でもドレスアップの人気は高まっている。米国ですでに発売されている商品だが日本向けに改良して発売する」と話した。

 一方、「G.T. SPECIAL CLASSIC Y350」は、同社が60~70年代に発売していたもので、14~15インチの3サイズを新たに発売する予定。

 TOYO TIREは「TOYO TIRES」と「NITTO」の2大ブランドでブースを出展して、それぞれの魅力を訴求した。

 TOYO TIRESのブースでは、最新のSUVやスポーツカーなど、国内ではまだ目に触れる機会の少ない車両を一堂に展示。同社のSUV向けブランド「OPEN COUNTRY」シリーズやフラッグシップブランド「PROXES」の高性能タイヤをラインアップした。

 清水隆史社長は「OPEN COUNTRYは本格的オフロード向けSUVタイヤとして評価を頂いている。悪路走破性はもちろん、トラクション性能やブレーキ性能も向上しており、世界的に最も過酷なレースと言われる『バハ1000』で昨年部門2位となるなどそのタフネスさが証明されている」と紹介。またオンロード向けの「OPEN COUNTRY R/T」は、昨年大ヒットしたスズキの軽自動車「ジムニー」向けサイズも好評を得ているという。

 NITTOブランドについて清水社長は、「日本生まれアメリカ育ちのユニークなブランドだ。本物を求めるファンと強い絆を育んできたことが存在価値である」と述べ、「今や北米のステータスシンボルとなった大型SUVのドレスアップやプレミアムチューニングにニットーは必須ブランドとしての地位を得ている」と自信を示した。

 今回のブースではブランドの迫力ある世界観を演出するため、日本未発売の「RIDGE GRAPPLER」を装着し北米でカスタマイズされた最新の「ジープ・ラングラー」などを展示した。

 担当者は「ブランドとしてこのような世界観を持っているとアピールすることで期待感を想起させたい」と出展の狙いを語った。また、「世界にはこういった車があって、このようなタイヤを装着していると提案することで、日本市場でも『欲しい』と思ってもらえるのではないか」と話した。

 日本グッドイヤーは、2月1日発売予定の「EAGLE F1 ASYMMETRIC3 SUV」と、昨年発売したオールシーズンタイヤ「Assurance WeatherReady」などを出品した。

 新発売する「EAGLE F1 ASYMMETRIC3 SUV」は、先行し投入した欧州市場ではポルシェやランドローバー、アウディなどのラグジュアリーSUVに新車装着されている。

 また、「Assurance WeatherReady」について担当者は「この商品の投入により、日本グッドイヤーのオールシーズンタイヤのラインアップは『Vector 4Seasons Hybrid』と合わせて合計57サイズとなった。このサイズの豊富さは日本では現在当社のみ」と強みを語った。

 同社では2013年からタイヤ販売店に向けたオールシーズンタイヤの試乗会を開催。販売スタッフに商品の性能を実際に体感してもらうことで、店頭での更なる販売促進を目指している。

 そのほか会場内では、同社が65年間オフィシャルサプライヤーを務めている「ナスカー」に参戦したトヨタの「タンドラ」などを展示し、グッドイヤーブランドが長く信頼されているというメッセージをアピールした。


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