〝ひと目を惹くルックス〟〝強いインパクトを与えるデザイン〟〝印象に残る見た目〟 いずれも、外観を讃辞する表現の例だ。また一般的に製品はそれが実用品としてつくられたものであってもその機能がフルに発揮されたときに〝機能美〟は発露されると言われる。つまり、機能的な製品は美しさを備えているということである。
エイワがこのほど上市した乗用車用タイヤチェンジャーの新シリーズ「New WING」シリーズは、そういう外観デザインと機能美とを追求したプレミアムモデルだ。そのシリーズ第1弾として「WING CZX24」を開発し、11月から本格販売を開始した。
技術力の高さを視覚化
マーケティング用語に、「パーチェスプロモーション」という言葉がある。科学的根拠に基づき店づくりを行い顧客の購買を促進させる仕掛けを意味するもの。そのもっとも基本となるのは〝五感に訴える〟ことだ。
ではそもそも、五感とはどういうものか。それは人が備える感覚機能を総称したもので、具体的には視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚 この5つの感覚を指す。化粧品などで著名なある化学メーカー大手の調べによると、「五感の使用割合」は①視覚87%②聴覚7%③触覚3%④嗅覚2%⑤味覚1% 。視覚が他を圧倒する。すなわち、パーチェスプロモーション活動でもっとも重視されるのは視覚。何よりもまず人の目に訴えるべきということが、その調査結果からうかがい知ることができる。
「WING CZX24」はリム径12インチから24インチまで対応。商品部の平井伸一部長は、「〝存在感あるデザインがドライバーからの注目を引きつけ、高い技術力を想起させる〟というのが新製品の開発コンセプト。タイヤチェンジャーは、お店の技術力を可視化することができるものと考えます。そのルックスで差別化を図ることができますし、イメージチェンジを訴求することも可能です」と紹介する。
その言葉通り、新製品の第一印象は強烈だ。メタリックを彷彿とさせるグレーを基調に、ブラックをアクセントに配した。それが深い質感を全体に醸し出す。タイヤチェンジャーやホイールバランサーは赤色という固定観念をみごとに覆す。
伊・ジュリアーノ社と共同で開発。イタリアと言えば、洗練されたファッションセンスの国と、誰もが真っ先に思い浮かべるはず。そのイタリアの老舗メーカーがエイワの描くコンセプトを具現化した。
しかし当然のことだが、プレミアムモデルの位置付けは外観ルックスのみによるものではない。ボディ全体から各パーツの細部に至るまで、設計を徹底的に見直した。全体バランスの最適化を追求した結果、「WING CZX24」は同社が販売する同じプレミアムゾーンの従来品に比べ剛性が14%もアップしたという。
「機械を扱う最中、たとえば負荷をかけたとき、その負荷を解いたとき、それぞれの動きがスムーズで操作が楽。作業を行う方が作業のひと手順ごとに剛性アップということを実感いただけるはず。それだけ作業の安定感、安心感の違いというものを感じていただけると思います」。平井部長はこのように説明する。
一方、作業性もプレミアムにふわしい機能を多数採用している。まず、標準装備の「パワーアウト(PO)システム」。ビードブレイク時に、ビードブレーカーアームが複動式エアーシリンダーの働きによって所定の位置まで自動的に開くもの。
超偏平タイヤのビード落としを行うときに、ブレーカーブレード(刃)がビード部とリムの間に挟まってしまうということが多々ある。その場合、作業者が腕力に任せてこじるなど労力を要した。「POシステム」はエアーシリンダーを利用することでブレードを外側に自動で開くため、そのような労力を軽減し作業効率の向上を実現した。
また、一般的なタイヤの場合でも、「POシステム」が作業の連続性を高めるので、スタッドレスタイヤ交換の繁忙期などで作業時間の短縮に寄与してくれる。
ターンテーブルは、足踏みペダルの踏み込み具合で回転速度を2段階で選ぶことのできる「2スピード回転」機能を搭載した(SS向けの防爆仕様を同時ラインアップしたが、それは「1スピード回転」となる)。
また、大口径・超偏平タイヤやランフラットタイヤの交換作業に最適な「QXレバーレスシステム」をはじめ、オールインワンの「ヘルプ&プレスアーム」など、オプション品も豊富に用意している。
「New WING」シリーズには翼をモチーフとする新たなロゴマークを作成し採用した。「独自のルックスによる高級感と先進イメージ、そして数々の最新機能がお店の技術力の高さを強力にアピールします。『WINGCZX24』はこれまでのタイヤチェンジャーとは一線を画す、プロショップにふさわしいプレミアムモデルです」――平井部長はこのように語った。