3月中旬に東京ビッグサイトで開催されたアジア最大級の環境ビジネスの展示会「環境展」で破砕機など廃タイヤのリサイクル関連企業が多数出展した。各社は「メンテナンス性の高さ」「人手不足への対応」などそれぞれの強みを打ち出し、環境への取り組みと生産性の高さを訴求した。
ウエノテックスと同社グループのサカモトテックスは、ブースでタイヤ破砕機を紹介した。同社グループの破砕機は国内で7~8割のシェアを占めており、一軸タイヤ破砕機や二軸タイヤ破砕機などを展開している。また、最新のトレッドラジアルカッターではカット工程のスピードを従来比で向上させたほか、自動ビードワイヤ抜き取り機なども提供している。
今後については、自動タイヤ溝測定装置の搭載や、現状の2インチチップより小さいサイズへの対応などを検討していると担当者は話していた。また「業界では人手不足への対応が課題となっている。ピッキングからチップに加工するまで自動で行えることが求められている」と述べた。
米SSI Shredding Systems,Inc.は、一軸や二軸、四軸、粗破砕機を60カ国以上に延べ3000台以上販売している。
ブースでは、破砕機や破砕片などを展示。同社の破砕機は、刃物の装着にカッターロッキングシステムを採用したほか、それぞれの部品が独立していることが特徴だ。
そのため「タイヤの処理はカッターを頻繁に変える必要があるが、刃の交換が容易にできる。また部品の交換性も高く、メンテナンスを実施すれば半永久的に使用可能」(担当者)という。
クボタ環境サービスは、低品質廃プラスチックから木材・長尺物まで対応する一軸破砕機や各種金属及び間伐材、廃タイヤを破砕する二軸破砕機などを紹介した。
担当者によると、同社の破砕機は農機メーカーであるクボタの技術を応用しており、「トラブルに強い」という。
破砕機専用の減速機にはトルクリミッタが内蔵されており、異物を噛みこんでもギアを保護することができる。また、一般的に油圧駆動の場合はコストがかかるほかメンテナンスの必要があるが、同社では電動機駆動を採用することで優れた経済性を実現。さらに、担当者は「油圧駆動並みの優れた運動特性を発揮できる。メンテナンスも容易でお使い頂きやすい」と紹介していた。
コーレンスは、デンマークのエルダン・リサイクリング社の廃タイヤ破砕機を紹介するブースを出展した。同装置は、シュレッド(砕断片)やチップ(寸断片)、粒状砕片、および粉体を生成するために多様な組み合わせでの提供が可能。
担当者は「ゴム粉に加工するノウハウを持っている点が強みだ」と話していた。なお、エルダン・リサイクリング社の装置はアスピレーターの工程で純度99.9%の高品質のゴム粉砕片を生成できる。
また、「国内ではゴム粉の活用は進んでいないが、今後マテリアルリサイクルを推進していくには必要な取り組み」と、同製品の市場ニーズについて語っていた。
コーレンスは、2000年頃から代理店として国内へ破砕機の導入を推進している。
廃タイヤに対応した一軸回転剪断式破砕機「ハードクラッシャ」や二軸回転剪断式破砕機「ガイナックスクラッシャ」などを展開するホーライは、ブースで自社の様々な破砕機を紹介・展示した。なお、一軸や二軸などの違いにより、廃タイヤはサイズの異なるチップに破砕できる。
また、同社の風力選別機「ASセパレータ」を活用すると、タイヤやコンベアベルトの粉砕物をゴムと繊維に分離することが可能となる。担当者によると、同社製品は産業廃棄物処理業者を中心に使用されている。