日本グッドイヤーは4月1日、茨城県の日本自動車研究所(JARI)城里テストセンターでオールシーズンタイヤの説明会を開催した。それに合わせ、昨年発売した「Assurance WeatherReady」(アシュアランス・ウェザーレディー)の試乗会を実施。同社のオールシーズンタイヤが実現する走行性能を体感した。
SUVに対応するオールシーズンタイヤ
昨年、発売開始した「Assurance WeatherReady」は、国内でも販売が好調なSUVのユーザーにとって新たな選択肢となり得るオールシーズンタイヤだ。16~20インチの全13サイズを展開し、M+S(マッド&スノー)及びスノーフレークを獲得している。
今回、トレッドゴムには従来の石油由来のオイルに代わり、大豆を原料としたオイルを配合。大豆油とゴム、シリカを組み合わせた「オールシーズンシリカコンパウンド」の採用により、低温から高温まであらゆる路面状況で高いトラクション性能を図った。
また、トレッドのアウト側リブに配置したバイアスグルーブ溝が排水性を高め、優れたウェット性能に貢献する。さらに、摩耗が進行すると新品時に閉じていたグルーブの溝幅が拡大する「エボルビングトラクションテクノロジー」を搭載。これにより、装着初期のトラクション性能と、摩耗後のウェット性能を両立した。
そのほか、ショルダー部のサイプに「3Dトレッドロックテクノロジー」を適用することで、ブロックの動きを抑制して優れたドライ性能を確保した。降雪時にはエッジ効果を発揮してトラクション性能に寄与するほか、ショルダー部の剛性を高めて偏摩耗の抑制を実現している。
日本グッドイヤーのドライバーによる試験では、夏タイヤ「EfficientGrip SUV HP01」(エフィシェントグリップ・エスユーブイ・エイチピーゼロワン)に比べると「初期応答がやや鈍く、高周波ピッチノイズは若干劣る」という性能評価もあったという。
ただ、「乗り心地はソフトでハンドリングのリニアリティ、ステアリングの手応えが良い」と、夏タイヤにも劣らないオールシーズンタイヤのパフォーマンスを評価している。
夏タイヤのような運転感覚で
試乗はトヨタ「ハリアー」を使用。テストセンターでは、低ミュー路コースとドライコースで、オールシーズンタイヤ「Assurance WeatherReady」と夏タイヤ「EfficientGrip SUV HP01」の比較試乗を行った。
圧雪路に近い滑りやすさを再現したコースでダブルレーンチェンジを行うと、夏タイヤは速度を抑えていても滑ってフラフラと揺れてしまうが、「Assurance WeatherReady」はしっかりグリップしてくれるため安心して運転できる。
ウェット路面で急ブレーキを踏んだ際は、オールシーズンタイヤの制動距離は夏タイヤとほとんど変わらない。ドライ路面でもダブルレーンチェンジや制動距離を確かめたが、プロのドライバーでなければその差はほとんど感じられないレベルではないか、という印象だ。
また、テストセンター周辺の一般道を「Assurance WeatherReady」で走行すると、その静粛性の高さを実感する。多少荒れた路面でも問題はなく、一般道のワインディング区間や山道でも、“オールシーズンタイヤを装着している”と言われなければ気づくことができないほど、しっかりとした操縦が可能だ。年間を通してドライブを楽しみたいSUVユーザーにとっては最良の選択肢となるかもしれない。
オールシーズンタイヤを装着することで急な降雪に十分対応でき、ドライ・ウェット路面も夏タイヤと変わらないドライブが可能 ユーザーの使用環境によってはこれらのメリットは大きく、安心で快適なクルマライフの実現に一役買ってくれるアイテムと言えそうだ。