現場ニーズに応える新技術を搭載 イヤサカのタイヤチェンジャー「NS90」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 イヤサカは11月にタイヤチェンジャー「NS90」シリーズを発売開始した。小野谷機工がOEM供給する国産商品で、およそ15年前に発売した従来品(NS80)のモデルチェンジとなる。使いやすさを追求した新商品  開発時にポイントとなったのは“軽労化”だ。偏平タイヤやランフラットタイヤにも対応する最新モデルがどのように現場作業の軽減に貢献するのか、営業技術部技術一課の本間友大さんに実演してもらった。

ハンディ・コントロールのビードブレーカーをオプションに用意。自由自在に作業を進められる
ハンディ・コントロールのビードブレーカーをオプションに用意。自由自在に作業を進められる

 イヤサカは米ハンター社や伊シーチェ社の日本総代理店であり、レバーレスタイプのタイヤチェンジャーにシーチェ社の「S1000TOP」や「S300」「S45TLGP」のほか、全自動を実現したハンター社の「レボリューション/TCR1X」などを幅広く取り揃えている。

 営業企画部長の飯田正弘さんは、「全自動の『レボリューション』が想定以上にご好評いただいています。トヨタがチャネルを統合し、現場でレクサスの高級車にも対応する必要が出てくると、メカニックがタイヤ交換まで行うことが大変になっているようです」と市場環境を説明する。

 ハンター製品とあわせ、同じくレバーレスのシーチェ製品も需要が高いそうだ。こうした動向からは、“作業の軽労化”が現場でどれほど重要視されているのかが分かるだろう。

アームに傾斜をつけたことで、脱着の作業時にタイヤと干渉しづらくなった
アームに傾斜をつけたことで、脱着の作業時にタイヤと干渉しづらくなった

 イヤサカがこのほど上市した「NS90」はレバー式を採用するが、開発のポイントはやはり“いかに作業を軽減するか”に置かれている。

 基本の「NS90」はエントリーモデルになっているものの、ビードプレス装置やマウントプレス装置、ハンディ・コントロールのビードブレーカーなど様々なオプションの装着が可能で、ユーザーが求めるサポート機能を選択できる仕様だ。

 イヤサカのタイヤチェンジャーのラインアップでは高機能の輸入品も高い人気を誇っているが、その一方でユーザーからは使い勝手の良い国産商品を求める声もあがっていた。同社では、こうしたニーズには国産のレバー式で対応する方針だという。

オプションのマウントプレス装置とビードプレス装置を併用した
オプションのマウントプレス装置とビードプレス装置を併用した

 なお「NS90」は、イヤサカが15年ほど前に小野谷機工のOEMで発売した「NS80」をモデルチェンジしたもの。今回も小野谷機工のOEM供給を受け、イヤサカ独自の製品に仕上がっている。適応リム径は10~25インチ。

 新商品「NS90」のビードブレーカーは2段階の開度調整式で、タイヤ・ホイールのサイズに合わせやすくなった。さらに、ホイールサポートのゴム板も幅広くなり、様々なサイズのタイヤでも安心の作業を実現する。

 マウンティングアームはチルトバック式を採用。今回、従来モデルで垂直に取り付けられていたアームに傾斜をつけた。デマウント及びマウント時にタイヤと干渉しづらくなる工夫だ。これにより、作業でタイヤを傷つけにくく、偏平タイヤなど硬いタイヤの脱着でもあまり力を掛けずに操作できる。

 さらに、「NS90」にはビードアップ機能を持つインフレーター装置を搭載し、ビードが上がりにくいSUV・LT用タイヤの作業をサポート。ターンテーブルには、作業者の思いのまま、ピタリと回転を停止できる機構を採用した。

「NS90」と営業技術部技術一課の本間友大さん(右)
「NS90」と営業技術部技術一課の本間友大さん(右)

 「NS90」のオプションには、ハンディ・コントロールのビードブレーカーをラインアップした。ビード落としを手動で実施できるタイプは輸入品にしかないそうで、国産商品では初の機能となる。本間さんは、「これまでビード落とし作業は、ペダルの踏み加減で微調整しなければなりませんでした」と説明する。

 その上で、「手動でコントロールできるビードブレーカーは自由自在に作業を止めることができ、手を離してもその位置でキープが可能です。隙間を保持でき、そのまま安全にクリームを塗ることもできます」と新技術のメリットを話してくれた。

 また、オプションのリフト装置は、「NS90」の前面に取り付ける内蔵式と、今回新たに別置き式を用意した。後からリフトが必要となった場合でも、こうした商品を活用することで容易に対応することができる。

 タイヤの脱着をサポートするマウントプレス装置は、軸がタイヤ軸上で止まる仕様になっており、ホイールを傷つけてしまう心配もない。さらに、ビードプレス装置も併用することで、偏平タイヤの作業も力を使わずに行うことが可能だ。

 レバー式のエントリーモデルでありながら、オプション装置を組み合わせることで現場の多様な期待に応える新商品「NS90」――軽労化を実現することで、安全・安心な作業環境の整備に貢献する。


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