小野谷機工 軽労化・省力化を実現するタイヤリフト3製品を本格発売

 整備作業の軽労化・省力化と安全性向上は二律背反ではない。軽労化・省力化を突き詰めていくと、安全性はより高まっていく――タイヤ整備機器をはじめ更生タイヤ製造や廃タイヤ処理の機器・システムの国産メーカー、小野谷機工ではこのような設計思想のもとで日々、整備機器の企画開発を行っている。同社がこのほど、タイヤ整備の現場をサポートする新製品3種を開発し、本格販売を開始した。

タイヤセットアップリフト「イージーリフトグッド70」

タイヤ積み上げは2人が力を合わせて行う大変な作業
タイヤ積み上げは2人が力を合わせて行う大変な作業

 ピットや倉庫など、整備の現場で行わなければならない作業の一つがタイヤの積み上げ作業。4~5本程度であれば作業者2名が力を合わせ要領よく行うことで済ませることも可能だろう。

「イージーリフトグッド70」と商品開発部機器商品開発グループの三田村廣大さん
「イージーリフトグッド70」と商品開発部機器商品開発グループの三田村廣大さん

 ただ、重量のある生産財タイヤを人の胸よりも上に積み上げるのはかなりの重労働で、落下の危険リスクも潜む。フォークリフトを使用することができない、たとえば上層階の倉庫や狭い作業空間などではそのリスクはさらに高まる。また作業本数が多くなれば当然、疲労度合いも進むし作業時間もかかる。また前後左右に凹凸が生じないよう綺麗に積み上げるのは大変だ。

 「イージーリフトグッド70」は、重量負担の大きなタイヤ積み上げ作業を機器の力で行う安全サポートツールだ。275mm幅タイヤ8段、つまり人の頭辺りまでの積み上げに対応する。

「イージーリフトグッド70」を使えば容易に行うことが可能
「イージーリフトグッド70」を使えば容易に行うことが可能

 商品開発部機器商品開発グループの三田村廣大さんは「最下限から最上限までリフト速度は約4秒というハイスピードを実現しました」と説明する。ボタン一つで任意の位置での作動・停止が可能だ。AC100V電源で作動するのでエアーコンプレッサーは不要。「本機には巻き取り式コードリールを内蔵し、4輪キャスターを採用しているので、運搬・移動が容易です」と続ける。

 本体の足元には可動式のタイヤシューターを備えた。使用時にタイヤを乗せる際のストッパーの役割を果たす。本体幅が480mmと、コンパクトサイズを実現。写真の通り、三田村さんよりも細いのが見てわかる。狭い場所での移動や使用を考慮した設計だ。

 リフト能力は約70kg。一般的な生産財タイヤに対応する。本体重量は約100kg。

PCチェンジャー用タイヤリフト「PL-80SL」

PCチェンジャー用タイヤリフト「PL-80SL」
PCチェンジャー用タイヤリフト「PL-80SL」

 新製品は、チェンジャー用別置きリフト「PL-80」のチューンアップ版。タイヤ脱着作業時にチェンジャーの横に別置きして使用するものだ。

ローラーでスライド。省力化を実現
ローラーでスライド。省力化を実現

 リフトの基本操作は、本体にタイヤを乗せ、ペダル操作でタイヤを上昇させる。チェンジャーにセットする際、「PL-80」では作業者が自らの力によってタイヤをチェンジャーに向け倒し込みながらテーブル上にセットする。

 「PL-80SL」の場合、リフトにセット後、ペダル操作でまずタイヤが横向きとなる。その状態で上昇し、テーブルの位置で停止させる。チェンジャーへのセット時、ローラーの機能でタイヤをそのままスライドすることが可能だ。テーブルにタイヤをセットする、その最後の工程でさらなる軽労化・省力化を図ったのだ。

 リフト能力は約80kg。リフト揚程は約820mm。

ホイールバランサー用タイヤリフト「L-1000C」

ホイールバランサー用タイヤリフト「L-1000C」
ホイールバランサー用タイヤリフト「L-1000C」

 バランサーリフト「L-1000」のチューンアップ版。ホイールバランサーを使用する際、タイヤの取り付けをサポートするツールだ。作業を軽労化するだけでなく、芯ズレを防ぐなど高い精度のバランス作業にも貢献する。

 「L-1000C」では、操作スイッチをリフト本体との一体型とした。作業時、本体とともにスイッチが左右にスライドすることで、一層作業しやすくなった。

本体とスイッチを一体化。作業動線が少なく効率化
本体とスイッチを一体化。作業動線が少なく効率化

 特にホイールのセンター部にシリンダーを挿入するという、精度が求められる作業。このときに、スイッチがタイヤ・ホイールとともにスライドするので、リフト右側からもその状態を目視しやすくなった。

 リフト能力は約80kg。リフト揚程は約285mm。適用タイヤ径は550mm以上。


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