イヤサカはこのほど、ホイールバランサーのスタンダードモデル「S745NW」「S635NW」に、「S745NW-AL」を新たにラインアップした。さらに、米ハンター社のホイールバランサー「スマートウエイトプロ/SWP70E」も新登場。営業技術部技術一課の本間友大さんがそれぞれの最新モデルを解説した。
イヤサカの「S745NW-AL」「S745NW」「S635NW」は、誰もが使いやすい操作性と高い信頼性を追求したホイールバランサーだ。小野谷機工のOEM供給を受け、イヤサカ独自の仕様を取り入れた。
最新の「S745NW-AL」は「AL」、すなわちタイヤの「エアーロックシステム」を搭載した。足踏みペダル操作で、スピーディな作業と取り付け誤差の低減を実現する。
本間さんは、「今まではハンドルロックに少し手間がかかりましたが、エアーロックによってより効率よく操作できます」と話す。その上で、「ネジ溝を切っていないのでホイールが擦っても傷になりません。慣れていただくと断然早く作業でき、取り外しもペダルを踏むだけで簡単です」と自信を示した。
また、「S745NW-AL」「S745NW」「S635NW」の共通オプションには、「ホイールリフター」と「貼り付けウエイトヒーター」を新たに用意した。SUVや四輪駆動車の大径タイヤのセット作業をサポートするほか、寒冷地で需要があるウエイトの加熱保温装置は、貼り付け時の接着効果の改善に寄与する。
さらに、スケールによるデータ入力時とバランスの測定後に活躍する「LED照明」、自動的にBDC(下死点)を特定する「貼り付けウエイト位置レーザー」も共通のオプションにラインアップした。
イヤサカのホイールバランサーが採用する他の機能も、効率性アップや作業品質の向上に貢献する。
「S745NW-AL」「S745NW」搭載の「自動入力システム」は、スケールをリムに当てるだけでイン側・アウト側の各ディスタンスと、リム径のデータを取得できるもの。オプションの「アウトサイドゲージ」を組み合わせることでリム幅の自動入力も可能だ。
さらに、3製品ともに1g単位まで計算できる「ファインモード」や、外側に貼り付けるウエイトをスポーク裏の2カ所に振り分ける「WAS機能」を採用。加えて、「自己診断機能」や「ウエイトアシストロック機能」、間違ったデータで測定しても実際のデータの入力によって正しい位相バランス量を表示する「再演算機能」といった使い勝手の良いシステムで、現場作業をアシストする。
イヤサカは、米ハンター社の「スマートウエイトプロ/SWP70E」を新たに販売開始した。本体とタイヤカバーそれぞれにカメラが付いており、スケールでのホイール計測が不要になったのが特徴だ。
そのため、従来通りウエイトの取り付け位置を設定してからバランスを測ることも可能だが、タイヤをセットしてすぐにバランス測定をスタートさせることもできる。「ウエイトを貼らなくて良いタイヤもあるため、この場合に作業時間を短縮できます」と本間さんは説明する。
また、ウエイトの計算結果を表示するまでの操作は、本体に取り付けられたコントローラーやペダルを使い、タイヤに触れることなく進む。さらにウエイト位置もレーザーで正確に表示し、ウエイトエラーの削減やバランス精度の向上が期待できる。
作業の効率化には、「SmartWeight」(スマートウエイト)バランステクノロジーも貢献。ウエイトの貼り付けや付け直しを最小限に抑え、無駄のない作業を実現できる。同技術の採用によって、従来のバランス測定からウエイトの使用量およびコストを3~4割も削減可能になったそうだ。
本間さんは「車両に装着した時に振動が起きない程度まで貼り付け量を抑えることができます。振動は体感しないレベルとなるので問題ありません」と話していた。もちろん、従来のようにバランス修正を追い込むことも可能だ。
そのほか、ウエイト貼り付け時にスタートボタンを押すと、ホイールが自動的に回転してTDC(上死点)もしくはBDCで保持でき、さらにスタートボタンを押すと次の貼り付け位置までホイールが回転する機能も搭載した。
また、カスタムホイールなどでもウエイトが見えづらい位置を自動的に示す「SplitSpoke」(スプリットスポーク)モードを採用。あわせて、複数のウエイトの組み合わせを示す「SplitWeight」(スプリットウエイト)モードにより、トリムリングとの干渉などを防ぐこともできるようになった。
スタンダードモデルや高性能製品など多彩な商品を取り揃えることで、様々な現場ニーズに応えていく。