ブリヂストンは12月11日、東京都中央区の佃中学校の3年生約80名を対象に出張授業「ブリヂストングローバルコミュニケーション教室~世界につながる伝える力~」を開催した。
この授業は、ブリヂストンが企業と連携した授業づくりを行うNPOの企業教育研究会と共同で実施するもの。外国から来たゲストを地域のイベントに誘うというロールプレイングを通じて、「相手に自分の伝えたいことを適切に伝える」というコミュニケーションスキルの重要さを学ぶことを目的としている。
ブリヂストンは150以上の国と地域で事業を展開するグローバル企業であることを示した上で、「多様な人材が活躍できる環境と体制を整備していることから、『グローバルコミュニケーション』について有意義な学びの場を提供できる」と開催の背景を説明した。
一方、佃中学校は中央区教育委員会研究奨励校として国際教育に力を入れており、グローバル視点を持つ生徒の育成に取り組んでいるほか、海外にルーツを持つ生徒も多いという。同校では、「考えや習慣が異なる人々と触れ合う機会が増えており、自分の考えを持ちつつコミュニケーションを取ることが必要になってきている。生徒にそういったことを学ぶ機会を提供したい」と、今回の授業を前向きに捉えている。
参加した生徒からは、「コミュニケーションの難しさを改めて感じたが、難しさだけではなく伝わった時の嬉しさが大きい。海外にも興味があり、外国の方と話す機会もあると思うのでコミュニケーションについて学ぶことができて良かった」といった好意的な感想が聞かれ、「とても楽しくて分かりやすかった」という声も挙がった。
同校教員の岸順一さんは「普段、生徒たちは自分が伝えたいことが相手に伝わっているかどうか、伝えたいことは何かといったことをあまり意識していないのではないか」と課題を挙げ、「改めて伝えることの難しさが分かる経験をする機会になった」と話していた。
ブリヂストンでは、「当社のことを若い人に知ってもらう機会にもなる。また、新型コロナウイルス下で対面での活動が制限されている中、リモートで取り組みを成功できたことは大きい」と成果を示した。
なお、今年11月にも同様の授業を渋谷区の中学校で実施しており、来年以降もこの取り組みを継続していくという。