自動化で作業の平準化に貢献 バンザイ「ゲオダイナ GEO-7800-2P」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 バンザイはこのほど、ホフマンブランドからホイールバランサーの新商品「ゲオダイナ GEO-7800-2P」を発売した。従来モデルが備えていた高性能な機能を継承しつつ、新たにカメラやレーザー、ソナーを採用し、バランス修正作業の高精度化・平準化に貢献する新商品――その進化した特徴や採用機能について、営業情報企画部営業推進一課副参事の福田守利氏に紹介してもらった。

「ゲオダイナ GEO-7800-2P」
「ゲオダイナ GEO-7800-2P」

 米スナップオングループの一員である「ホフマン」は、欧州では約90年の歴史を持つ老舗のブランドだ。福田氏によると、ホフマンのホイールバランサーは「測定精度に対する信頼性の高さから、タイヤ専業店や整備工場だけでなく、世界の自動車メーカーやタイヤメーカーにも支持されている」と紹介する。

 「ゲオダイナ GEO-7800-2P」は、ホフマン最新シリーズのバランサーだ。その最大の特徴は自動化にある。ホイールサイズや形状を自動測定することで、作業者はクランプ作業とウエイト取り付けを行うだけだ。

 まず新搭載のソナーシステムにより、ホイールに接触せずにリム幅を自動入力することが可能になった。さらに、最上級機種「オプティマ」と同等のカメラとレーザーを採用したことで、機械がホイール形状から打ち込みか貼り付けを判別し、あわせてディスタンスとホイール径も自動計測する。これらの新機能により、入力ミスなどが起こる心配がなくなった。

 また、バランサーによっては打ち込み、貼り付けの両モードにおいて同一のホイールデータの入力値を基にウエイト量を計算するモデルもある。それに対して、「7800-2P」は打ち込み、貼り付けで異なるウエイト修正位置の実寸を機械が計測してくれるため、より高精度なバランス修正を実現するそうだ。

スマートソナーを新搭載したことで、ホイールに接触せずにリム幅を自動入力することが可能になった
スマートソナーを新搭載したことで、ホイールに接触せずにリム幅を自動入力することが可能になった

 ウエイトを貼り付ける場合は、デフォルトのレーザーモードではホイールのウエイト貼り付け位置が5時辺りにくるよう固定され、レーザーがピンポイントで修正位置を指示する。福田氏は「修正位置がシャフトの真下から少しずれた所にくるため、ホイールの泥や汚れをきれいに拭きとれ、直接目視で確認してまっすぐ確実に処方できる」と話していた。

 同時に、従来モデルが採用してきたゲージロック機能、ゲオデータシステムも搭載した。アームを使ってウエイトを貼り付けられる同機能を選択すれば、アームの長さやホイール回転位置が自動でロックされるため、同モードでも正しい位置でウエイト修正が可能だ。

 福田氏は「ホイールの形状を自動で測定し、ウエイト修正位置はピンポイントで指示してくれるため、一般的な修正作業で作業者による差が生まれない。経験による調整なども必要なく、バランス修正作業の平準化が期待できる」と、「7800-2P」の進化のポイントをアピールする。

 「7800-2P」は、ホフマンのバランサーが採用してきた数々の機能も継承した。その一つ、電動パワークランプは、誰が作業を行ってもホイールのセット作業で毎回一定の締め付けトルクを実現する。

 同社によると、例えばエアークランプの場合は空圧が変動したり、管理を怠るとエア漏れや水分による機械の故障が発生したりする可能性もある。そのため、より安定性やメンテナンス性の高い電動式が採用されているそうだ。

電動パワークランプにより、毎回一定の締め付けトルクを実現する
電動パワークランプにより、毎回一定の締め付けトルクを実現する

 さらに、ホイールとタイヤを最適に組み合わせるオプトライドプログラムも搭載した。一般的なマッチング作業ではタイヤを組んだ状態で2度バランス測定し、ホイールとタイヤの組み合わせ位置を割り出すケースが多い。一方、ホフマンのプログラムではホイール単体のバランス測定も行う点が特徴だ。

 作業手順は1つ増えることになるものの、このプログラムによってホイール単体とタイヤ単体のデータを比較することができ、より精度高く“ベストマッチング”を計算可能になった。タイヤとホイールの組み合わせ位置だけではなく、場合によっては、イン・アウトの付け替えなども判断できるという。

福田守利氏
福田守利氏

 また、「7800-2P」はホフマン独自のVPM(バーチャル・プレーン・メジャーメント)システムを採用しており、荷重センサーはシャフトの水平位置に配置されている。

 これは、バランサーにホイールをセットする際、作業者が意図せずシャフトに与えてしまう衝撃などを考慮したもの。荷重センサーはシャフトの下部から水平位置に移動したため衝撃の影響を受けにくく、高い測定精度が維持できるそうだ。

 高精度なバランス修正に向けてホフマンが開発してきた多様な機能を受け継ぎながら、新たにソナーやカメラ、レーザーを備えたことで、ヒューマンエラーの排除や作業の平準化が期待できる「7800-2P」。バンザイでは、機械の精度や使い勝手にこだわりを持つショップなどに訴求する考えだ。

 なお、新商品は19インチのタッチモニターを備え、操作性や視認性も向上した。測定対象ホイール径は8~32インチ、対応車種は乗用車およびライトトラック(一部オプション品が必要)となっている。


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