顧客が求めるレベル以上の仕事を タイヤガーデンさがら

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カテゴリー: ディーラー, レポート

 タイヤガーデンさがら(静岡県牧之原市波津1308-6)は駿河湾にほど近いエリアで40年以上営業を続け、地域の乗用車やトラック、建設機械、産業車両まで幅広く対応してきた。現在、ショップで中心の役割を担っているのは2代目の白鳥宏美さん。顧客が求めるレベル以上の質の高い仕事に取り組むことをモットーとしながら、「誰でも遊びに来られるようなタイヤ屋さん」を目指し、準備を重ねている。

タイヤガーデンさがら
タイヤガーデンさがら

 タイヤガーデンさがらは1977年、静岡県牧之原市でオープンした。創業者は今も代表取締役を務める白鳥信夫さん。現在の住所にあった別のショップが閉店したのを機に、当時勤務していたタイヤ販売会社から独立し、タイヤガーデンさがらとして新たに商売をスタートした。

 店舗は信夫さん、妻の英子さん、娘の宏美さん、スタッフ1人の合計4人で運営しているが、現在はほとんどの作業を宏美さんとスタッフの2人で行っているという。乗用車、トラック、建設機械から、砂利工場の機械に取り付けられているタイヤの交換まで「なんでも対応」(宏美さん)しており、全体の約6割がトラック向け、3割程度が乗用車向け、残りを産業車両向けなどが占めているそうだ。

 乗用車2台の作業ができるメインの敷地のほか、道路を挟んだすぐ近くの土地に倉庫を構え、4トンから大型の作業はそちらで行っている。なお、メインの敷地はこの夏にリニューアルしたばかり。今までは乗用車1台しか入れなかったが、作業効率を考え、パンク修理やタイヤ交換を同時にできるよう機材などを配置しなおしたという。

 タイヤガーデンさがらが立地するのは、県沿岸部を通り、静岡市から浜松市にいたる国道150号沿い。バイパス道路ができたため以前に比べたら減ったというものの交通量もあり、かねてよりお店の存在を把握していたドライバーが緊急時に飛び込みで来店することもある。

乗用車・ライトトラックの作業スペース
乗用車・ライトトラックの作業スペース

 また、「トラックがパンクして動けなくなった」といった依頼があれば、クルマで1時間かかっても現場まで出張対応しているそうだ。

 タイヤガーデンさがらの周りは住宅地が広がっており、ショップには事業者だけでなく近所の住民が来店することもある。近隣にはカー用品の量販店もあるなか、宏美さんが力を入れているのはアフターフォローだ。

 「タイヤのローテーションなど色々なメンテナンスはもちろん、私たちはタイヤに関してアドバイスもできる。“売りっぱなし”には決してしない」

 こうした丁寧な取り組みの積み重ねだろうか、なかには40年以上の付き合いがある顧客もいると話していた。

 タイヤガーデンさがらがモットーとするのは、顧客が求めるレベル以上の仕事をすること。たとえばタイヤ交換時には、ユーザーがこれまで装着していたタイヤとは異なる最適なタイヤがあれば、新たにそちらを紹介するケースもあるという。

 過去には、宏美さんがトラックの出張作業を1人で対応すると、女性だからという理由でドライバーから言いがかりを付けられることもあった。そんな時でも「仕事を見て判断してほしい」と伝え、作業後にはしっかりと評価される質の高い仕事に取り組んできたそうだ。

 宏美さんは「手を抜くことだけは絶対にしない。『そこまで丁寧にしなくてもいい』と言われることもあるが、やはり私たちはお客さんが大事にしているものを取り扱っているのだから、“やるなら徹底的に”と考えている」と語る。

 こうした姿勢で一度でも作業を担当すれば、信頼を獲得でき、タイヤで困ったことがあると相談されるような間柄になることもある。宏美さんは「お客さんが安心してクルマに乗れるよう、アドバイスや作業に取り組んでいきたい」と意気込みを述べる。

気軽に寄れるお店を目指して

白鳥宏美さん
白鳥宏美さん

 将来思い描くショップの姿について、宏美さんは次のように展望する。

 「誰でも遊びに来られるようなタイヤ屋さんにしていきたい。『ちょっと時間が空いたから遊びに来た』、『クルマをいじりたいから場所を貸してほしい』といった人にも応えられるお店になれば」

 現在は、他のショップを見学しながら効果的な取り組みを勉強中だという。また、「トラックしか対応していないと思っている方も多い。もう少し乗用車にもアピールしていきたい」と抱負を述べる。こうした“地域密着”を実現するべく、組合員などとも相談を重ね、ショップの運営方法を模索しているそうだ。

 創業者から2代目にあたる宏美さん。現在は子育ての最中でもあり、仕事と子育てを両立するため、当分は社長を継がない予定だ。「子育てに目がいくことで万が一にも仕事がおろそかになったらお客さんに迷惑が掛かる。しっかり責任を持つために、子育てが終わるまでは社長にはならない」と考えを話す。

 ただ、現在でもタイヤに関わるすべてを宏美さんに一任する顧客もいる。「しっかりお客さんに認められてから社長になりたい。今は準備中」と話すが、宏美さんはすでに地域になくてはならない存在なのだろう。

 これまで培ってきた信頼関係や丁寧なアドバイス、作業力をベースに、理想とするショップの姿の実現に向け、これからも宏美さんの挑戦は続く。


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