日本ミシュランタイヤは10月15日、群馬県の太田サイトで社内イベント「わくわくフェスティバル2022」を開催し、社員約200名が参加した。同社は来年8月に本社を東京都新宿区から群馬県太田市に移転することを決めている。須藤元社長は「ワンチームとなって市場のニーズに対応する体制を目指している。全ての社員がリーダーとして行動することがチームの進歩となり、持続可能な成長につながる」と展望を示している。
同社は昨年10月15日に新たに社員の行動指針「わくわくで動かせ」を策定した。今回はこの指針が生まれた記念日として初のイベント開催となった。会場では“つなげよう、わくわくの輪”をスローガンに、ミシュランの理念や活動を深く理解し、社員同士の交流を深めるために様々なプログラムを実施。普段は異なる部署で接点がさほど多くなかった社員がそれぞれの製品やソリューションを紹介したほか、グループや社員の価値観を知るためのワークショップも開かれた。
須藤元社長は「『わくわくフェスティバル』は、ボランティアで声を上げた社員が部署をまたぎ作り上げたイベントとなる。職責にかかわらず全ての社員がリーダーとして行動することが持続可能な成長を生み出すことになる。今後のミシュランに期待してほしい」と話した。
なお、今回は新型コロナウイルスの感染対策から社員向けに実施したが、来年以降は地域住民を招くなど、より開かれたイベントを検討していくという。
パラモトライダーの試乗会も実施
当日は一般社団法人SSP(サイド・スタンド・プロジェクト)が主催する障がいを抱えた人のためのオートバイ走行会をメインプログラムの一つとして開催。日本ミシュランタイヤの社員もボランティアとして運営をサポートした。幼い頃からレースへ出場し、1990年代には世界的に活躍したロードレーサー「青木三兄弟」も参加し、障がいのあるバイク愛好家(パラモトライダー)が走行を体験した。
SSPはパラモトライダーがオートバイを運転するという“夢”を支える非営利団体。取材に応じたSSP理事の青木治親さんは「我々は2019年に活動をスタートしたが、ミシュランとはロードレース時代からタイヤ供給で関係があり、すぐに協賛して頂いた。障がいを負った方は我々には計り知れない絶望があり、そこから這い上がるには想像できない気力が必要になる。“もう一度オートバイに乗る”という一旦は諦めたことに対して夢を持って頂きたい」と期待を込めた。
須藤社長は「自分の経験、想像の範囲が世界の全てではない。私自身が初めてSSPの活動を見た際にも多くの発見があった。社員がこのボランティア活動に参加して気付きを得ることは今後、一層重要な要素になってくる」と活動を支援する意義を話した。