国分商会(埼玉県熊谷市)が埼玉県内で展開するタイヤショップ「マーク」の中で、トラック・バス用タイヤをメインに手掛けるのが「マーク トラックタイヤセンター」(熊谷市万吉)だ。大型トラックから建設機械、産業機械といった特殊な車両にも対応し、地域の様々な事業者の足元を支えている。木元良尚店長に店舗の特徴と今後の目標を聞いた。
「トラックタイヤセンター」がある地域は関越自動車道や東北自動車道に近く、近隣には倉庫や工場が立ち並ぶ。店舗前の国道は多くのトラックが行き交う。
店舗の開設は2014年と比較的日は浅いが、既に地域の多くのユーザーから信頼を得ているようだ。木元店長は「既存のお客様から当店をご紹介頂くこともあり、地域密着で取り組んできた成果が表れている」と話す。
顧客はトラックユーザーが多くを占めるが、フォークリフトや建設車両などに対応した整備の設備が整っているため、ほぼ全てのタイヤカテゴリーに対応できるのが強み。スタッフは6名で、全員がタイヤサービスを行いつつ、日々の営業活動も兼務するという。
取り扱うタイヤは大型のものが多く、高い技術レベルとともに、安全への配慮も強く求められる。そのため、同店では定期的にオリジナルの作業手順書をスタッフ同士で確認し合い、新しく配属されたスタッフも含めて作業の標準化を徹底している。
木元店長は「今まで以上に安全へ取り組みつつ、作業の精度とスピードを上げていきたい」と話し、特に繁忙期などに活かせるよう効率性も重視する考えを示す。ピットは3レーンあり、トレーラーの取り回しもできる広さがあるが、スタッフが意見を出し合って、より効率的な作業ができるように機材の配置をアレンジしている。また、安全確保のために、停止線を設置して注意を呼び掛けるような改善活動も積極的に取り組んでいる。
木元店長が「トラックタイヤセンター」に赴任したのは2021年6月。以前は乗用車用タイヤをメインに販売する「マーク熊谷店」で5年ほど勤務した経験がある。その後、国分商会の本社でリサイクル関連の部署などを経て、再びタイヤ販売の現場に戻った格好だ。
木元店長は「販売の現場は以前とはかなり変わった。昔は個人のお客様からインチアップの需要が多くあったため営業活動はそれほどしていなかった」と振り返る。一方で、「近年はスタッフ各々が法人向けの営業活動を強化するようになっている。外部の環境変化に対応して今の姿になってきている」と話す。
ユーザー側の意識にも大きな変化が感じられるという。例えば、大手運送会社などでは事業を通じた環境負荷低減への姿勢がより顕著になってきている。こうした中で、今後の需要拡大が期待されるのはリトレッドタイヤだ。「顧客からの問い合わせが増え、急速に関心が高まっている」と指摘する。
2022年は原材料高や生産コストの上昇を受けて新品タイヤの値上げが相次ぎ、リトレッドタイヤとの価格差が広がっているほか、リトレッドタイヤそのものの品質レベルも飛躍的に高まっていることが背景にあるようだ。
木元店長は「国分商会のリサイクル事業ともリンクするが、環境面で有利であれば、今後リトレッドタイヤは定着していく可能性はある」と話し、「そのメリットが浸透して認知度が高まると予想され、当店としては将来的に伸ばしていけるカテゴリーだ」と期待感を示す。
さらに、「マーク」の他店舗と同様に、ローテーションにも注力し、タイヤのトータルライフ向上につながるというメリットを顧客へ訴求する取り組みも推進していく。
今後の目標について木元店長は、「当店の強みはスタッフの技能レベルの高さ。これがあるから建設機械や産業車両、トラックなど様々なニーズに対応できる」と自信を示す。その上で、「当社には“人で売る”という方針がある。既存のお客様に満足して頂き、安全と作業スピードを両立することで、更に多くの方に当店を選んで頂けるようにしていきたい」と意欲を話す。
今後も、地域に根ざして顧客を大切にしながら、その時代、ニーズに合った取り組みを継続していくことでユーザーからの一層の信頼向上につなげていく。