小野谷機工は2月からノーパンクタイヤ用チェンジャー「パワーマックス PMX-100」を新発売した。開発を担当した商品開発本部サービス機器開発部の漆崎政弥リーダーは、「テーブル板に突起を設けたほか、高圧時に警告ブザー音で通知するなど作業の安全性がより高まった製品になっている」と自信を示す。
フォークリフトなどで使用されるノーパンクタイヤの交換作業では、万が一でも事故が起きればゴムの破片や塊が飛散し大事故につながる可能性があるため、より適切で安全な作業が求められる。
一般的に、ノーパンクタイヤとホイールをセットする際は治具の上にホイール、タイヤをセットしてシリンダーではめ込むが、正確な位置は作業者の“勘”に頼るケースが多く、真ん中に合わせたつもりがずれてしまったというケースが起こりうる。中心がずれた状態で油圧で引っ張ると、タイヤが外れたり、治具が外れてしまったりする危険性もあった。
漆崎氏は「勘に頼って、『大体ここかな』と考えながら作業するケースが少なくないが、その“大体”が危険になる」と指摘する。
今回の「PMX-100」には新機能としてテーブル板に突起(ガイド)を設けた点がポイント。このガイドに合わせて治具をはめ込めば“芯ずれ”を防ぎ、ぴったりと中心位置が決まる仕組みだ。
「ノーパンクタイヤのチェンジャーは昔から使われていた機械だが、芯がずれることで、シャフトが曲がってしまうという報告もあった。安全に作業して頂くためにガイドを設けるというのはありそうでなかった発想」(漆崎氏)だという。
また、治具にスペーサーを付けることで動きを抑制して、ずれを防ぐような工夫も施した。タイヤ外径が大きくなればなるほど中心が掴みにくくなるが、新モデルではそういった不安は解消されるだろう。
「PMX-100」のもう一つの特徴として油圧パワーを制御した点が挙げられる。従来は最高80トンまで出力できる仕様だったが、「実際にそこまでのパワーは必要ない」というユーザーの声を受けて今回は50トンまでとした。
どうしてもパワーが必要な場合はボタン操作で80トンまで出力を高めることも可能。ただ、圧力が70トンに達するとパトライトが鳴り、作業者に高圧だと知らせるような機能を付加した。漆崎氏は「作業していて『どうしても外れない』と加圧していくと、相当の圧が掛かり、気付かないうちに危険な状態になってしまうケースも考えられる。それをブザーとランプで作業者に伝える仕様になっている」と、作業の安全をサポートする機能の重要性を話していた。
なお、「PMX-100」には豊富なアタッチメントを用意しており、多様なホイールに対応している。