〜出展企業の見どころ〜
最新の技術を搭載した機器を出品
日本自動車機械工具協会(=機工協、柳田昌宏会長)は6月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイト(東1・2・3ホール、屋外)で「第37回オートサービスショー2023」を開催する。「オートサービスショー」は、1948(昭和23)年に「自動車整備用機械工具実演展示会」として第1回を開催。その後、1973(昭和48)年に現在の名称に変更し隔年で開催してきた。しかし2021年はコロナ禍と東京オリンピック・パラリンピック開催のため会場の確保が困難となり中止。今回は2019年以来4年ぶりに開催される。
自動車整備機器類の専門見本市として国内最大級の「オートサービスショー」。「ヒトとクルマの未来を守る整備機器」が今回のテーマだ。タイヤ販売店で使われるタイヤ整備機器や機械器具・工具が数多く出展される。屋内展示小間数は1000小間で前回ショーの860小間から拡大。出展者数も100社を上回る予定。開催規模が拡大し、タイヤ販売・整備関係者からの注目度がますます高まる。機工協では先に、ショー出展者による事前の開催概要説明会を開いた。その発表をベースに、本紙では独自に直前の出展計画を調査。タイヤ整備関係にフォーカスし出展企業の見どころを紹介する(五十音順)。
作業効率の向上と省力化を目指す
安全・安心を実現する作業環境へ
【アルティア】
展示テーマは〝Find your future—未来はここにある—〟。タイヤ整備機器の分野では、タイヤチェンジャー「スマートウイニング」シリーズ、ホイールバランサー「スマートロード」シリーズ、TB・LTチェンジャーなどを出展予定。大径化・大型化が進むタイヤ市場に対応を図り、作業の効率化と安全性に寄与する各種製品の特徴を訴求する。
【安全自動車】
整備工場をブース全体イメージとし、その中で作業工程ごとに仕切られる「ストール」において各種機器を活用するシーンを演出する展示構成だ。屋内98小間・屋外4小間と広い展示会場を確保し、約75点の商品を展示し実演デモを行う。レーザーとAIでタイヤ溝を計測するハンディ型計測器も出品する予定。
タイヤ整備機器として、乗用車用チェンジャーでは「ウィング トルネード」を出品。ホイールバランサーは乗用車用「サーキット ER100」に加え、大型車用の新製品「サーキット 330」を参考出品する予定。またホイールアライメントテスターではタッチレスを実現した「アルゴス」を出品する。
安全自動車にタイヤチェンジャーとホイールバランサーを供給するエイワの担当者は「〝技術の可視化〟をコンセプトとして、作業者へ安心と安全を提供するとともに、視覚的に技術力の高さを認知することができる最新機器を展示する」、このように見どころを話す。
中でも新発売予定の「サーキット 330」について「主軸昇降機能により低位で安全なホイールセッティングを行うことが可能。リフターによりホイール取り付け時の大型車ホイール転倒のリスクを軽減した」と解説。その機能性の高さを実機の展示を通じ訴求するとしている。
【イヤサカ】
「近い将来、整備工場はこのようになって欲しい」という、整備作業場のありたい姿を提案する。米国ハンター・エンジニアリング社の新製品を中心に出品する予定。タイヤ整備機器についても最新の技術盛り込み開発された新製品を出品する。
その中、特に注目を集めるのが通過式アライメント検査システム「クイックチェックドライブ」と、通過式タイヤトレッド検査システム「クイックトレッドエッジ」。いずれも車両を検査機に通過させるだけで、前者はトータルトゥとキャンバーを、後者はタイヤの溝や偏摩耗の状況を自動で診断することができるもの。
また最新のカメラシステムによりスピーディで高精度なアライメント計測を可能としたホイールアライメントテスター「ホークアイ エリート WA670」を出展。ほかにも、全自動レバーレスタイヤチェンジャー「レボリューション」、機能性を高めたホイールバランサー「スマートウェイトプロ」シリーズ、実走行状態でラジアル・ラテラルフォースの測定を可能にした「ロードフォースエリートRFE10E」などを出品。足回り整備の作業品質向上と一層の効率化を提案する。
【小野谷機工】
近年、強く取り組むテーマが省力化・省人化。現場で急務の課題となっている人手不足への対応を、タイヤサービス機械の自動化により解消を図る考え。今回のショーでは同社として過去最多の出展数量で、多種多様な機械を展示する予定だ。タイヤチェンジャーやホイールバランサーなどで、セッティング時のサポートリフトによる負担軽減機器をデモ展示する。
特に注目されるのが自動タイヤチェンジャーの最新モデルだ。6月に新発売する大型用フルオートチェンジャー「オート プロフット」シリーズの「APF−09FS/14FS」の2機種と、7月発売開始予定のセミオート・レバーレスチェンジャー「アルマックス エクシード-Iota/Iota Pro」がそれ。展示ブースでデモ実演を行い、操作性の高さやオートマティック機能の優れた性能をアピールする。
一方、ホイールバランサー「ダイナマックス」シリーズからはハイエンドモデル「Ks−MAX」、スタンダードモデル「Ks−LAX」を出品する。またバッテリー搭載EVサービスカーのプロトタイプも出展する。
担当者は「当社の多種多様な機械の展示を通じ、自動化や負担軽減の取り組みをご提案する。過去最多となる数々の出展機器を会場でご覧いただきたい」とコメントしている。
【興和精機】
二輪車の整備に特化する同社。二輪車用タイヤチェンジャー「KF−52−TCR200/KF−52−TCR200MP」、二輪車用ホイールバランサー「KF−2−B100NKW2」、エーミングサポートツール「Nエイマー KN−40−NA01」などを出品する。
【サンコー】
今年6月から新発売予定のハイパフォーマンスタイヤチェンジャー「ユーロスター エベレスト EU032EVF」を初公開する。併せて、「ユーロスター」シリーズのタイヤチェンジャーとホイールバランサー、エントリーモデルの「デーリック」シリーズなど豊富なラインアップを紹介する。
【バンザイ】
〝SMART SERVICE〜自動車整備のみらいをデザイン〜〟をコンセプトに大型車・乗用車用の整備機器、車検機器などをトータルで出展。現場の課題を解決する製品でサービスのあり方を提案する。
レバーレスタイヤチェンジャー「TCSI−1100」、ユニフォミティ測定機能を備えたホイールバランサー「ジオ−オプティマ−2」など作業効率を高めたタイヤ整備機器を出品する。またホイールアライメントテスターで新製品を出展する予定だ。