「第37回オートサービスショー2023」「ヒトとクルマの未来を守る整備機器」テーマに開催

 機工協・主催の「第37回オートサービスショー2023」が15日から17日の会期、東京ビッグサイトで開かれた。今回のショーテーマは「ヒトとクルマの未来を守る整備機器」。自動車整備機器類として国内最大級の専門見本市が復活。タイヤチェンジャーやホイールバランサー、アライメントテスターをはじめとするタイヤ整備機器の最新モデルが、参加各社から多数出展された。

 自動化機器で現場の作業性アップを提案

 作業品質を高め整備の〝価値〟向上を

 【小野谷機工】

 自動化機器で人手不足の対応図る

【小野谷機工】
【小野谷機工】

 過去最多となる出展数量で今回のショーに臨み、省人化・省力化に対応するべく、自動化に向けた機械が目白押しとなった。

 新発売のトラック・バス用オートチェンジャー「オートプロフット」シリーズ「APF―14FS」が注目機種で、ボタンを押すだけで大型タイヤを楽に交換できる。使い勝手を追求したオペレーションでシンプル操作が特徴。女性でもシニアでも安全に作業が行える。

 レバーレスチェンジャー「エクシード」シリーズから新商品の「Iota/Iota Pro」を出品し実演。ホイールバランサー「ダイナマックス」シリーズの最高峰モデル「Ks―MAX」に次ぐミドルクラスモデルとして新商品「Ks―LAX」をラインアップした。

 また屋外展示コーナーでは、ESC(エレクトリック・サービス・カー)コンセプトに基づく新しいタイプのロードサービスカーを参考出品。コンプレッサーの動力源を従来の発電機からリチウムイオンバッテリーへと変更したのが大きな特徴。静音性とスペースユーティリティの向上を実現し車両の軽量化で燃費の向上も果たすなど、同社が考える脱炭素社会に向けた取り組みを提案した。

 

 【イヤサカ】

 サービスの高度化を提案

【イヤサカ】
【イヤサカ】

 最大規模の展示スペースで、特に目を惹いたのは通過式アライメント検査システム「クイックチェックドライブ」と、通過式タイヤトレッド検査システム「クイックトレッドエッジ」の2種類を組み合わせたコーナーだ。車両を通過させるだけで、測定可能のシステム。前者はホイールアライメントを測定し瞬時にトータルトゥとキャンバーを同時測定。後者はタイヤのトレッドを測定しその場でデータを解析可能。

 他にも米ハンター社のホイールバランサーやホイールアライメント、タイヤチェンジャー等を多数出展。簡単・素早く・正確に測定することで、タイヤサービスの高度化を提案した。

 

 【安全自動車】

 安全・安心をサポートする

【安全自動車】
【安全自動車】

 「お客様の安全・安心をサポート」をコンセプトに展開する。整備工場を再現し実演デモを行うことで、各種機器の活用シーンをイメージしやすい展示を行った。

 タイヤチェンジャーでは、「ウイング トルネード」を出展。自動機能の搭載で快適なタイヤ交換作業を目指した機器だ。リム直径タイヤ幅を設定するだけでビード落としからタイヤ外し作業まで自動化。小口径から大口径までのホイールを確実に固定、安全にタイヤ交換作業が可能である。

ホイールバランサー「サーキット 330」は、エア昇降式主軸ユニットにより、低い位置で安全に正確なホイールの装着を実現した。

 

 【バンザイ】

 海外メーカーの基準を満たす

【バンザイ】
【バンザイ】

「SMART SERVICE~自動車整備のみらいをデザイン~」が展示テーマ。現場の人手不足問題に対応する、小型化・省力化・自動化に特化したシステムを紹介。さらにメルセデスベンツやBMWなどの輸入車正規ディーラー向けに、海外メーカーの基準を満たす専用のタイヤ整備機器各種を出展した。

 最新型3Dアライメントテスター「Q−Lign」とデジタルエイミングサポートツール「Q−DAS」、自動通過型タイヤ溝計測器「イージートレッド+CAM」を参考出品。またセミオートマティック大型用タイヤチェンジャー「PIT G―50V」を出展した。

 

 【空研】

 充電式のトルクセッター登場

【空研】
【空研】

 大型車のホイールナット脱着作業用の充電式トルクセッター「エレクトリックトルクセッター」を出品した。

 同社ではエアーモーターの力をトルクに変換し、コンピュータ制御により高精度の締付トルク管理を実現するホイールナットランナー「パワートルクセッター」シリーズを市場で展開している。新商品「エレクトリックトルクセッター」は、その充電タイプとして開発。ブースでは来場者に模擬体験できるコーナーを設け、コントロールパネルの見やすさやコードレスによる取り回しの良さなど、商品の持つ性能の高さを強くアピールした。

 

 【京都機械工具】

 大型化するタイヤへの対応を

【京都機械工具】
【京都機械工具】

 「タイヤが大型化するなか、省人化・省力化を提案したい」と、電動式タイヤリフターとローテーションワゴンの組み合わせを出展。デジラチェやメモルクの新製品を参考出品した。

 手持ちのラチェットハンドルなどの工具に装着することでデジタル化を実現する「トルクル」をはじめ、測定データをデバイス端末に送信できるTRASAS(トレサス)シリーズを出品し、安心安全な作業環境づくりと作業品質の向上を提案した。

 

 【東日製作所】

 自立型で動力源不要のトルクレンチ

 自立型で、増力装置付きシグナル式トルクレンチ「TW2」を出品。電気などの動力源を使わず、従来と比べ約1/3の力で締め付け作業が可能、省人化&省力化に貢献する。また大型車ホイールナット締付け管理システムの「TWMS」も出品。「TW2」でのタイヤ交換時の締付けデータや、増し締めデータを車両番号で一括管理できる。複数ピットでの作業にも対応し、無線LANによる集中管理も可能だ。

 

 【東空】

 過締めを自動で防止するインパクト

 トルク管理ツールを中心に展示。新製品「充電式シャットオフインパクトレンチ MBI-160T」を出品した。これはマイコン制御による自動シャットオフ機能を搭載。打撃開始後0.8秒で自動停止し、締め過ぎによるボルトの「伸び」を防止する。また4段階の締め付けモード切り替え機能付きだ。

 また、ボルトやナットの緩み防止や安全性につながるアイテムとして、タイヤ締付前の汚れやサビ落としツールの「ボルトクリーナーブラシセット MBC」シリーズ、充電式トルクコントロールインパクトレンチを参考出品した。

 

 【アルティア】

 レバーレスチェンジャーを発表

 最新検査機器や環境対策SDGs関連商品、省力化商品、EV整備関連商品、アライメント関連商品等を多数展示。

 タイヤ関連機器分野ではタイヤチェンジャー「スマートウイニング RSR-GX」を出品。レバーレス装置を搭載し、ビードプレス、ビードアップの単独昇降やホイールプレス装置でより確実で安全な作業を実現した。ホイールバランサー「スマートロード RSR-LA」はタッチパネル式21.5インチ縦型液晶モニター搭載し、優れた操作性を発揮。スピーディなエアーロックシステムを採用し、取り付け時の誤差を低減した。

 

 【サンコー】

 ハイエンドチェンジャー新発売

 タイヤ関連機器分野ではハイパフォーマンスタイヤチェンジャー「ユーロスター エベレスト EUO32EVF」を出品した。これは作業効率と負担軽減を追求した装備を多数搭載。回転フランジにセットしたまま、ビート落としからタイヤの脱着までがスピーディかつ安全にできる。エアー駆動式ホイールリフターでセッティングの負担を軽減するほか、ボタンでコントロールする操作パネルにより、レバーレスでの作業が可能になった。

 

 【興和精機】

 高精度のエーミングを容易に

 タイヤ関連機器分野では、2輪と4輪用エーミング位置出し工具「Nエイマー」を出品した。

 4輪用「Nエイマー KN-40-NA01」は作業補助線が作成不要で正確な位置出し作業を一人で完了できる。従来の作業時間を大幅に短縮するだけでなく、高精度な位置出しが可能。

 またサポートツールの「QUICK K KNK-40-AST」はエーミング調整時、ターゲットボード位置出し作業の時間をレーザーラインがサポートして短縮。車両の平均線出しからセンター位置出しまでの時間が素早く、高い精度で可能になるという。

 

 【長崎ジャッキ】

 低床フリーローラーで作業性向上

 ガレージジャッキやリフター、油圧プレス等を扱う同社は、近日発売予定のピン差し&ねじ調整式リジッドラック「NRR―15PS―350H」を展示した。ピン差し込み式とねじ調整式の機能が1つになり、素早くどの位置でも高さ調整が可能で、ハンドルも大きく調整作業がスムーズになった。

 移動式低床多軸フリーローラー「NFR―S750M」(2台1組)はローラーの高さを低くすることで低床車に対応でき、スピーディーで効率的な作業が可能となった。

 

 【エー・アイ・エス】

 タイヤトレッド面の研磨を提案

 タイヤ表面を研磨し、偏摩耗の修正や接地圧分布を均等化することでグリップ力の回復を図る、独自のタイヤ研磨装置を開発・販売する同社。スタンダードモデル「けんま君Pit」を出品し、研磨作業の工程を実演デモし、タイヤ研磨の意義を解説した。


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