イヤサカはトレーニングセンター(TC)として8カ所目となる北関東TCを群馬県前橋市内に開設した=写真上=。同社は千葉県印西市内に首都圏TCを稼働しており、関東地方では2カ所目。関東支店が管轄するエリアを中心に、自動車産業が盛んな地元・群馬県域のユーザーの利用を想定する。北関東TCは関越自動車道・前橋IC近くに位置し、栃木・茨城の北関東エリアをはじめ新潟や長野など北陸エリアのユーザーにとって交通アクセスが至便。首都圏TCと使い分けることで利用者の集中を避け、TC本来の目的である〝体感〟をよりしやすくし、顧客満足の向上を図った。
北関東TCの所在地は前橋市古市町231。群馬営業所(伊藤照幸所長)を移転した際に、同じ敷地内に併設した。敷地面積は1630平方メートル、建床面積554平方メートル、地上2階建て。
1階スペースに車検・整備関連の機器を常設展示。建物隣に最新の門型洗車機を備えた。2階には40人の収容が可能な研修室を設けた。機器に関するレクチャーを受けることが可能だ。また、タイヤ空気充てん講習会をはじめ各種の座学講習会の会場として活用することも視野に入れる。地元エリアのユーザーを中心に、研修施設としての利用を呼び掛けていくという。
TCは機器を体感する場としてだけでなく、理想のピットのあり方を訴求するモデルルームの役割も担う。そこで北関東TCでは現場で働くスタッフの作業環境の向上を図る提案を行っている。
その一つが、TC屋上の屋根に採用した遮熱性に優れる「冷えルーフ」。この屋根材の施工の有無で室内温度がどれくらい違うのか、TC室内の温度計で検証したところ約5℃も違うことが認められた=写真中=。
また、作業場のエアー配管の素材を従来の銅管・ステンレス鋼管から、アルミ管をポリエチレンで挟んだ3層構造のエアー配管システムに一新。施工性を高めるとともにエアー漏れリスクを低減し、作業場の安全性向上を実現した。
1階の作業スペース床材には合成ゴム製タイル「ノラメント」を敷いた。ゴム弾性によりショック吸収性に優れ、ホイールや工具を落としても床への衝撃を緩和。傷や破損のリスクを低減し、衝撃音も抑制する。また柔らかい歩行感で、現場で作業を行うスタッフの疲労軽減と作業性向上をサポートする。
北関東TCには新製品を中心に同社が取り扱う整備機器を常設展示した。コンピューター検査システム「コンサートシステム CS」シリーズや、10月から発売を開始したOBD検査専用スキャンツール「IS−J2534」もそれらの一つ。
足回り整備関係も米国ハンター社をメインに展示を充実した。車両通過式タッチレスのホイールアライメントテスター「クイックチェックドライブ」とタイヤトレッド測定器「クイックトレッドエッジ」、ホイールアライメントシステム「ホークアイエリート」シリーズ。タイヤチェンジャーのレバーレスチェンジャー「レボリューション」「シート社 S1000」、ラジアル・ラテラルフォース測定機能搭載のホイールバランサー「ロードフォース エリート」、電動タイヤリフター「AWL101」、タイヤホイール洗浄機「ホイールウォッシャーGP24/12」などを常設する。