タイヤ整備機器新製品

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 東洋精器工業株式会社

 乗用車用ホイールバランサー「トリム BP—7340P」

 上級機種にふさわしい機能を満載

 高い精度と操作性の向上を実現

細目課長と「BP-7340P」
細目課長と「BP-7340P」

 東洋精器工業株式会社(兵庫県宝塚市、馬杉ゆかり社長)は、乗用車用ホイールバランサーの新製品「TRIM(トリム) BP—7340P」を上市し本格販売を開始した。解説と実演デモを担当する細目玲(ほそのめ れい)さんは営業部門の担当を経て現在の商品企画部第二課長に着任した。営業所勤務時代、タイヤ整備の現場でユーザーボイスをダイレクトに聞いてきた経験が豊富。機器に求められるニーズとはどういうものなのかを強く実感する。そのようなユーザーの声を反映し、新製品は企画化された。

 

 新製品は「BP—7300P」の後継モデルとして開発。同社乗用車用ホイールバランサーのハイクラスモデルに位置付けられる。外観デザインを大きく変更した。ボディーカラーを赤から、つや消しのグレーへ。上級機種にふさわしい高級感を演出した。本体にはアルファベットのZを想起させる「Zフォルムデザイン」を採用。機器の操作性を追求しながら、先進的なピット空間への調和を図っている。

 

直感的に操作可能なワイドタッチスクリーン
直感的に操作可能なワイドタッチスクリーン

 バランス作業のメニューをはじめとする各種の操作はタッチスクリーンタイプとした。従来機種はキーボードで入力していたが、新製品はスマホやタブレット端末と同様、ディスプレイ画面にタッチし操作する。

 「ワイドタッチスクリーンの採用により、直感的に操作できるようになった」と、細目さんは説明する。広く大きな画面なので、見やすく、指先での操作もしやすい。作業の進め方についてはユニバーサルデザインの考え方によりイラスト表示を多く用いた。輸入品だが、言語設定を日本語表記のモードにすることができ国内での実用性と操作性を向上した。

日本語表記画面
日本語表記画面

 また、Wi−Fi機能を搭載。ピットを経由し会社や店舗のプリンターでバランス修正前と後のデータをプリントアウトすることを可能にした。それによりバランス修正の提案や点検記録として、ユーザーに提示することができ、作業のマネタイズ創出にも寄与する。

 「TRIM BP—7340P」の実演デモに際し、バランサー専用タイヤリフト「BL−02B」(オプション機器)を連結した。重量のあるタイヤ・ホイールをバランサーに着脱する作業は、スタッフの腰にかかる負担が大きい。しかも不安定な姿勢のまま、バランサーの主軸にセンターを合わせ取り付ける作業は難易度が高い。リフターは作業の軽労化を図る。しかもリフターから十字レーザー光をバランサー主軸の径中心に照射しセンタリング位置が可視化されるので、作業性を大幅に向上した。

 細目さんは、リフターの機能を活用しタイヤ・ホイールのセンタリングを合わせ、リフタープレートをスライドさせ「BP—7340P」の主軸に取り付ける。クランプ装着は電動パワークランプシステムだ。誰でもスピーディーで均等なクランプトルクを実現した。バランサーの生命である高精度の測定が可能。

 

 「BP—7340P」には「スマートソナー」を採用した。標準装備のタイヤガードを閉じるとリム幅を自動計測し測定回転を開始。細目さんは「従来の全自動入力よりもさらにひと手間を省いた。作業効率の向上に貢献する、上級機種らしい機能だ」と述べる。

 バランス測定の完了後、IN側の修正位置付近で自動停止するので、位相を合わせる時間が短縮される。このオートストップ機能は設定によりOUT側の位相付近での停止や機能自体のキャンセルも可能だという。

 タイヤとホイールの位置を最も振動を起こしにくい状態で組み合わせる「マッチング機能」や、ホイールデザインを損なわないように隣接するスポークの裏に2分割して修正する「ビハインド機能」を搭載した。

レーザーポインターで照射された修正位置
レーザーポインターで照射された修正位置

 アルミ内面修正モードでは、レーザーラインではなく本機に搭載のレーザーポインターが確実な修正位置を照射。機器の下方5時の方向でポイントが示されるので、作業がしやすく測定精度がキープされる。作業時に同社オリジナル「ウエイトセッター ぺた²」を併用すると、微妙な位置ズレを防止し、残留アンバランスの解消に一層効果的だ。「使用する貼付けウエイトの量を減らすことができ、経費の節減と廃棄物減による環境負荷の低減を図ることが可能」と、細目さんはその効果に折り紙を付ける。

 このレーザーポインター照射モードの機能をオフにすると通常のスケールアームを使用した内面修正位置での実測入力と貼付ウエイト保持クリップによるウエイト修正機能を使用することができる。

 機器の足元には「2ウェイペダル」を配置。蹴り上げるとクランプが開閉し、踏むと任意の位置で電磁ロックが作動しホイールの回転を固定することを可能にした。

 

簡易較正モードを作動中
簡易較正モードを作動中

 「BP—7340P」には簡易的な較正モードをメニューに搭載した。操作はタッチスクリーンのメニューで選択しイラストに従って操作をするだけ。始業前点検で行えば常に高い精度を維持し、高品質のバランス作業を提供することができる。

 一部のSUVやピックアップに装着され始めた、センターハブが特殊な形状のデザインホイールに対応するテーパーコーンや4WDコーンを標準付属品として用意した。

 細目さんは「上級機種にふさわしく、高い機能をフルに搭載し作業効率を一層向上。すぐれた測定精度を実現した。ホイールバランス作業の付加価値を高める仕上がりとなった」と、その性能に強い自信を示す。

 「BP—7340P」の適用リム幅は3〜20インチ。適用リム径は8〜32インチ。


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