爆風を回避、小野谷機工がセーフティケージ発売

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カテゴリー: レポート, 整備機器

防風板でバースト時の危険回避

小野谷機工(福井県越前市)は9月よりセーフティケージの新製品「TC~TACS」シリーズを発売した。今年3月に乗用車・小型トラックタイヤ用の製品を上市したのに続き、今回はタイヤ径1200mmまでのトラック・バス用タイヤに対応するモデルとなっている。

TC~TACS
TC~TACSと自動充填機

 新製品は、ケージの両側面の金属メッシュ部分を「ブラストシールド」と呼ばれる防風板で覆うことで安全性を大きく向上させたのが特徴となる。

 タイヤが万が一、バーストした際は爆風だけでなく、挟まった小石などが飛んできて大きな事故に繋がるケースもある。一方、防風板が両サイドに取り付けられていれば、こうした危険を回避することができる。

 この防風板はフロント上部が約90度に曲がっているのが特徴で、爆風をケージの後方と上方向に逃す工夫が施されている。

 商品開発本部機器商品開発部の三田村廣大氏は、「タイヤバースト時の爆風の流れを分析して何度も試行錯誤した結果この角度になった。バーストした際の爆風は作業者がいる前のほうに来ることが多いが、ブラストシールドがあることにより上部あるいは後ろ方向に逃がすことができる」と説明する。

ブラストシールド
最適な角度を付けたブラストシールドの端部分

 同社では「TC~TACS」はLED警告灯付きの自動エア充てん機とのセットでの使用を提案している。

 この充てん機は、現在の充てん状況を点灯・点滅で知らせる機能のほか、パンク修理したタイヤにエア充てんを行う際に一定時間待機するモード、パンク箇所の確認を行う場合に設定圧を100キロパスカルに固定するモードを搭載している。自動エア充てん機を併用することで、安全性が高まるだけでなく、充てん中に別の作業を進められるなど業務の効率化が期待できる。

 さらにタイヤをセットする際に使用する台に回転ローラーを搭載したモデルも用意した。これによりセット時のオペレーターへの負担が軽減されるほか、バルブの位置合わせも容易になる。

 同社では、「トラック・バス用タイヤの空気充てん作業では死亡事故も起きているので、より安全性を高めた商品になっている」としており、空気充てん時に作業の安全を一層求めるユーザーに訴求していく考えだ。


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