小野谷機工(株)  乗用車用タイヤチェンジャー  「プロステージ NPS-227」

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カテゴリー: レポート, 整備機器

 新シリーズ「NPS」をラインアップ

 カラーリング一新。ベース性能向上

①本機と竹内さん
①本機と竹内さん

 「PROSTAGE(プロステージ)」は、小野谷機工の乗用車用タイヤチェンジャーのスタンダード機種。「PSR」シリーズとして、ベーシックモデルからレバーレス作業対応のフルスペックモデルまで、ラインアップを豊富にそろえる。タイヤ取扱店への来店客層をはじめ、ピットスタッフが作業時に重視するポイントや〈こだわり〉に的確にミートし選択することが可能だ。その「プロステージ」に、新たに「NPS」シリーズを加えた。商品開発本部サービス機器開発部の竹内優作さんは「商品名は『ニュープロステージ』を意味します」と解説する。

 

②新形状のチャック爪でビードアップローラーの差し込みが容易に
②新形状のチャック爪でビードアップローラーの差し込みが容易に

 「プロステージ NPS-227」はこの9月から新発売する。従来の「PSR」シリーズと最も異なるのがカラーリングだ。

 「PSR」シリーズは本体カラーに深みのあるレッドを採用。カバーやサポートアームは艶(つや)のあるブラックとし、配色を引き立たせる。これは乗用車用タイヤチェンジャーのフラッグシップブランド「EXCEED Iota(エクシード イオタ)」シリーズでも同様。タイヤ整備機器で伝統的な配色を継承している。

 それに対して「NPS-227」が本体のカラーリングに採用したのはマットブラックだ。カバーやサポートアームはレッドとし、配色を入れ替えた。

③レバーを使った作業
③レバーを使った作業

 竹内さんは「輸入車を多く取り扱うピットでは、外観上の見映えを重視する傾向が強い。そのようなピットにマッチすべく、落ち着きがあり高級感をイメージさせるマットブラックを本体のカラーに採用しました」と、その意図を語る。「金属部分も素材そのままではなく、シルバーメッキ加工を施しています」という。

 職場環境の改善の一環として建物の採光に工夫をこらす、またLED照明が普及したことから、明るいピット作業場が増えてきた。そのような変化に対応し、タイヤ整備機器でも〈見せる〉ことは重要。「NPS」シリーズはタワー(支柱)やビードブレーカー、タイヤ空気圧メーターといった本体各部の基本色をマットブラックとした。パーツに深いレッドを散りばめるというコントラストにすることで見映えを高めた。

④サポートツールで省力化を実現
④サポートツールで省力化を実現

 配色を変えたカバーは、素材も強化プラスチックからスチール製へと変更した。ペダル操作で靴のつま先が当たることがあるので頑丈なつくりにしたという。「これまでのオノダニからイメージを一新するカラーリングになったのではないでしょうか」と、竹内さんはイメージチェンジ効果に期待を寄せる。

 

 従来シリーズから基本性能を高めたのも「NPS-227」の特徴だ。採用する部品を吟味し、スペックアップを図った。たとえばテーブル板のチャック爪もその一つ。「エクシード イオタ」シリーズと同様、新形状を採用した。竹内さんは「従来よりも高い位置で固定するのでクリアランスを確保でき、ビードアップローラーの差し込みが容易に行えます」と指摘する。

⑤ダイヤルゲージタイプのエアメーター
⑤ダイヤルゲージタイプのエアメーター

 空気圧メーターの下部には物入れを標準で配置した。「作業中に小物類をちょい置きするときに便利なラックです。作業の流れを中断しなくて済みますし、紛失の防止にもなります」という。空気圧メーターも目盛りの単位をkPa値とすることでいちいち換算する手間を省いた。

 ヨーロピアンスタイルのタイヤチェンジャーの場合、テーブル板の上にタイヤ・ホイールをセットするときにタワーを倒し、セット後に再び倒立させるという工程がある。「新製品はタワーの倒立時にガタつきを抑えるために『抑えボルト』という部品を新たに追加しました。タワーに力がかかったときにねじれを抑制するので、安定した状態で作業することができます」(竹内さん)としている。機器全体で剛性を一層高めることにより、安心安全で確実な作業の実現を図った。

 本体部分だけでなく、アームも関節部分を中心に改良を加えた。収納時に少しでもコンパクトに折りたためるようにすることで、作業空間を広く確保し、機器周りの動線に余裕を持たせた。作業性の向上に寄与する。

 

⑥コンパクト収納の左側アーム
⑥コンパクト収納の左側アーム

 「NPS-227」は「プロステージ」の新シリーズ第1弾。レバー作業を前提に開発設計し、機器をつくりこんだ。各部のスペックアップを行い、スタンダード機種でありながら、上級クラスの作業性と作業品質の向上を実現した。今後はレバーレス機能搭載モデルなど、ハイグレード機種をラインアップする計画。

 「サポートアーム一つとっても使われる現場や作業の習熟度により求める機能が変わってきます。右側アームと左側アーム、両方を必要とするお客様、片方だけで良いというお客様と、ニーズはさまざまです。新シリーズは基本性能を向上したうえで、使いかたにマッチした機種を開発していきます」とし、積極的に市場展開を図る考えを示した。


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