乗用車用プレミアムコンフォートタイヤ新商品  ブリヂストン「REGNO GR-XⅢ」

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カテゴリー: レポート, 試乗

 より静かで、しなやかに伸びる走り

 

REGNO GR-XⅢ体感試乗会1
REGNO GR-XⅢ体感試乗会1

 7月、ブリヂストンの乗用車用プレミアムタイヤ「REGNO GR-XⅢ(レグノ ジーアール・クロススリー)」=以下、XⅢと略=の体感試乗会が行われた。静粛性や運転操作の心地よさを追求したXⅢで都内の一般道をドライビングし、〈新しいREGNO FEELING〉を体感した。サステナビリティ貢献を素材開発段階から組み込んだというXⅢ。モータージャーナリストの瀬在仁志さんをドライバーに迎え、その新しい価値をレポートする。

 

 ENLITENを国内市販用に初搭載

 

REGNO GR-XⅢ体感試乗会2
REGNO GR-XⅢ体感試乗会2

 フラッグシップブランド「REGNO」に、独自の商品設計基盤技術ENLITEN(エンライトン)を国内市販用乗用車向けタイヤとして初搭載し注目を集めるXⅢ。

 ENLITEN製品企画部門PSタイヤ製品企画第1部長の橋本賢人氏は、「ブリヂストンの製品開発は大きく変革しようとしている。従来の延長上ではなく、ENLITENで次のステージに進化していきたい」と語る。

 その背景には、タイヤに求められる性能が多様化する市場環境の変化がある。EVの普及やサステナブル意識の高まりもそうだ。XⅢは快適性に加え、走行性やサステナビリティを重視する層も新たなユーザーに据えた。また、ターゲット車両も国産ラグジュアリー車にとどまらず、剛性感の高い欧州製ツーリングカーや車両重量の重いBEVへと拡げた。

 今回の開発コンセプトは空間品質、走行性能、サステナビリティの3点。それらをより高次元で両立するためにENLITENを適用した。

 空間品質では、静粛性を従来品のXⅡ(クロスツー)よりロードノイズ12%低減、パタンノイズ8%低減。新ポリマーと、いかなる性能も犠牲にしない新配合設計による新トップゴムを採用した。

REGNO GR-XⅢ体感試乗会3
REGNO GR-XⅢ体感試乗会3

 また、新しい消音器を追加した3Dノイズ抑制グルーブをパタンに採用。この新パタンは新品時だけでなく、摩耗した後も消音効果が発揮されるので、優れた静粛性が維持される。

 走行性能では、ウェットブレーキ性能がXⅡ対比13%低減した。ウェット性能を向上しながらも背反する低燃費性能を維持。路面の突起乗越時の衝撃は10%低減した。

 サステナブルの面では、タイヤ1本あたりで1キロの軽量化を実現した。「一般的な乗用車1台で、しかもバネ下重量で4キロもの軽量化を果たすのは驚異的なこと」と、瀬在さんは指摘する。

 タイヤをより〈薄く〉〈軽く〉〈円く〉を実現するENLITENは、サステナブルの観点では、なにか部材を加える(重くする)ことでねらう性能の向上を図るのではない。引いて(軽くする)必要な部材だけで性能を向上させる、逆転の発想で開発を進めたという。

 

 「加える」ではなく「引く」、逆転の発想

 

瀬在氏
瀬在氏

 試乗コースはトンネルあり、大小のカーブやつなぎ目のある路面、ざらついた路面、スムースアスファルト、それにレーンチェンジが可能な長い直線もある。さまざまなシチュエーションでタイヤ性能の評価が可能だ。

 試乗車両はBEVのベンツEQEとレクサスES。ベンツEQEでは、BEVに装着したときのXⅢの静粛性能を、レクサスではXⅡとXⅢで乗り比べを行いその違いを、それぞれ体感した。

 SUVのハイエンドモデル、ベンツEQEは走行中の車内空間がとても静かだ。従って装着タイヤはロードノイズとパタンノイズがどう抑えられるかがポイントとなる。「タイヤを薄く軽くするため、カーカスを重視し、新構造と新形状を採用しました。つくるのが非常にむずかしいのですが、進化したモノづくりと匠の技でそれを実現しています」と、同社の開発担当者は説明する。

 確かに重量級のBEVでも、XⅢの静粛性はよくマッチし、快適な車内空間を演出することを実感した。

 

 穏やかで素直に動く上質なハンドリング

橋本氏
橋本氏

 レクサスESで比較評価を行う。道路のつなぎ目で大きな入力があるが、XⅢの場合「振動の入力をいなし、うまく分散していますね」と、瀬在さんはそのハンドルフィールに感心する。「XⅡは突起の乗り越しで硬い感触がありましたが、XⅢは角が取れてすべて丸い。横方向と縦方向のバランスがよくとれています」と続ける。

 直進安定性とともに、レーンチェンジやコーナーでのハンドリング性も評価は高い。

 「タイヤが軽量化されたことで車体のロールやピッチに影響が現れるのか、気になりましたが杞憂でした。ステアリング操作や加速による上下動が少ないですね。ハンドルを切ったらすぐに力が働くから操作しやすい。路面に常に密着しており、追従性が非常に良い。キビキビした動きはめざしておらず、穏やかながらも遅れることなくスッと素直に動く。しなやかで上質な走りです」。瀬在さんは〈新しいREGNO FEELING〉をこのように表現した。

 

 マスバランス管理を推進へ

 

三縞氏
三縞氏

ENLITEN製品企画部門G-サステナビリティ製品戦略部長の三縞久美氏は、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みについて「2030年に再生資源・再生可能資源比率40%、2050年に100%サステナブルマテリアル化をめざす」と語る。そこで鍵を握るのがマスバランス方式だ。

 国際的な認証制度のISCC PLUS認証を取得した合成ゴムを使用するなどXⅢでは53サイズ、加工・生産4工場でマスバランス管理を行っている。三縞氏は「マスバランス方式の活用はグローバルで必須。REGNOで国内拠点認証を拡大する」としている。


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