バスク(埼玉県志木市)は4月よりタイヤ空気圧監視システム(TPMS)「エアセーフ」の販売を開始した。エアバルブに装着する直接式で、センサー4台と車内モニター1台のセット。希望小売価格は税抜3万6800円。
小笠原孝嗣社長が「OE装着品と遜色ない精度と性能を持ちつつ、この価格に抑えた。性能面はもちろん、コストパフォーマンスでも決して他社に負けていない」と自信を示す同製品はどのようにして生まれたのか。開発の背景と製品の強みを聞いた。
「非常に幅広い車種で使用していただける汎用性の高いTPMS」と小笠原社長は同製品について自信を見せる。
新製品の内蔵電池の寿命は約5年。現在はアルミホイール専用だが、スチールホイールに対応した製品のリリースを年内に計画している。
「既に次の製品開発が進んでおり、二輪車用や軽トラック用、さらにスマートフォンと接続できるブルートゥース版の発売も近く予定している」と、幅広い製品展開を計画している。「いずれも年内の発売を目指しているが、強い要望があれば可能な限り予定を前倒しして対応していきたい」と語る。
商品展開のスピード感の背景には、開発メーカーとの密接な関係がある。
「同製品の開発は台湾でOE装着用TPMSを生産しているメーカーが行った。彼らは高い開発力と品質管理技術を有しており、製品に対する信頼性も高い。しかし販路がなかったため、当社が販売を手がけている」
OE装着品は一つでも問題があれば大規模なリコールに繋がる。そのため不良品率が非常に低く、厳しい品質管理が求められる。その環境で開発された同製品は、OE装着品と同等の性能を持ちながら、生産コストの低さから価格は大きく抑えられている。
「この性能と品質を保ちながら価格を維持するのは、メーカー直販ならではのメリット。OE開発で培われた技術と生産力があるので、需要があればさらに速度を上げて対応ができる」
ユーザーインターフェースにもこだわりがある。見やすい車内モニターは、微弱な電波でも途切れず正確に受信する高い精度を持つという。加えて機械操作に明るくない女性やお年寄りでも直感的に簡単に操作でき、視認性が高い。
「ワーニングアラーム機能が分かりやすいのが一番の特徴。空気圧やタイヤ内温度の異常を検知すると、モニターの点滅表示とともにアラーム音で警告する。かなり大きな音なので、こういった機能に馴染みのない方でも、万一の危機に気づいていただける」
今後もデザイン性を含めて、より一層車体に馴染みやすく見やすいモニターに改良していく予定だ。
さらに小笠原社長はもう一つの展開を用意している。「車体に標準装着されているTPMSのセンサー部分をディーラーで交換すると非常に高い。少なくとも4輪分のエアセーフより高額になる」
そこでOE装着用のTPMSを生産している技術を活かし、センサー部分のみを販売することを考えている。
「パーツと車体のプログラム部分をマッチングするモジュールをセットにして提供する準備を進めている」
具体的なリリース時期は未定だが、エアセーフの販売状況を見ながら早める可能性は大いにあるという。
「車のオーナーは純正品と変わらない品質で安く交換でき、タイヤ販売店はディーラーに流れてしまう顧客を逃がさない。全員がWIN―WINの関係を築ける」
一部の海外市場では既に装着が義務付けられているため、今後TPMSの標準装着車両が増える可能性は低くない。TPMSのさらなる浸透を視野に入れ、まずはエアセーフの販路拡大を目指す。
「安全を担保するタイヤをさらに安全に運用するため、義務化を待たず装着して欲しい。そのためにはやはり、タイヤ専業店の皆様に品質の良い製品をご提案し、お客様にご紹介いただきたい」
品質と性能の高さには自信があると重ねて語る小笠原社長。同社では今後の幅広い展開を含め、製品の取扱店を募集している。