ブリヂストンは5月中旬、栃木県にあるプルービンググラウンド(テストコース)で今年2月に発売したSUV用タイヤ「ALENZA 001」の試乗会を行った。新商品はニーズが多様化するSUV市場の中で特にプレミアムモデルをターゲットに開発した。その性能は――。
ここ数年、新車販売が好調なSUVはモデル数が増えるのに伴い、ユーザーの使い方も多種多様になっている。そのため、タイヤにも今まで以上に幅広い性能が求めるようになった。
「ALENZA」(アレンザ)はそうしたSUVのニーズに対応するためにブリヂストンが立ち上げた新ブランド。主にオンロードを走行するプレミアムSUVがターゲットとなる。
その第1弾商品となる「ALENZA 001」は、プレミアムSUVのスポーティな運動性能を高次元で引き出すために専用設計を施した。これにより、オンロードでの高いドライ・ウェット性能に加え、低燃費性能やライフ性能にも配慮したハイパフォーマンスタイヤとなっている。
同社では「アレンザは、オンロードや街乗りをベースとしてプレミアムSUVの高度な性能を引き出し、磨き抜かれて洗練された上質な走りをサポートすることで、ユーザーの多様な価値に貢献することを目指す」と説明している。
技術面ではプレミアムモデルに求められる高い運動性能を実現するため、タイヤの骨格部分にベルト補強材などを採用することで、剛性を確保し、高いドライ性能を達成した。またリブ端部のラウンドを最適化し接地圧を高めたパターンを開発してウェットグリップを向上させている。さらに同社のタイヤ開発技術「アルティメットアイ」の採用により、制動時の接地性を向上させた。国内タイヤラベリング制度におけるウェット性能は最高グレードの「a」または「b」となっている。
試乗会当日は雨天のためウェット路面のみの走行となったが、アップダウンのあるハンドリングコースやレーンチェンジ時でも応答性が良く、乗用車用のプレミアムタイヤに近い感覚でドライブができる。その一方でオフロード志向のSUV用タイヤのようなゴツゴツした感覚も感じられない印象だ。
また今回の新商品は運動性能やグリップ性能の向上以外に、低燃費性能も追求した。従来品(デューラーH/Pスポーツ)と比較してライフ性能は同等を維持しつつ、転がり抵抗は19%低減させている。
今回誕生した「アレンザ」はグローバルブランドとして今後ラインアップを拡充していく考えで、世界的に人気が広がるSUV市場でニーズに応えていく。なお「ALENZA 001」は16~20インチの全34サイズのラインアップとなる。